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綾取
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あやど
ふりがな文庫
“
綾取
(
あやど
)” の例文
後の
襖
(
ふすま
)
がさつと開いて、四十五六の武家が一人、
襷
(
たすき
)
を十文字に
綾取
(
あやど
)
り、六
尺柄
(
しやくえ
)
皆朱
(
かいしゆ
)
の手槍をピタリと付けて、ズイと平次の方に寄ります。
銭形平次捕物控:051 迷子札
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
我輩は
襷
(
たすき
)
十
字
(
じ
)
に
綾取
(
あやど
)
って、向う鉢巻、
相好
(
そうごう
)
がもう殺気を帯びている。『君は介添をつれて来ないか?』とベッケルが訊いた。
ガラマサどん
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
靴のリボンは、真っ白な
繊
(
こま
)
かな透き靴足袋の上にX形に
綾取
(
あやど
)
られていた。それからモスリンの一種の胴着をつけていた。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
いま鮮やけく
綯
(
な
)
えるものゝように、心から
紡
(
つむ
)
ぎ出されて来て、肉体の感覚にまで結ばり
綾取
(
あやど
)
られたのを感じると
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
六十六部に身を
扮装
(
やつ
)
して直江志津の一刀を錫杖に仕込み、田川より
遠賀
(
をんが
)
川沿ひに道を
綾取
(
あやど
)
り、福丸といふ処より四里ばかり、三坂峠を越えて青柳の
宿
(
しゆく
)
に出でむとす。
白くれない
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
就中
(
なかんずく
)
、
公孫樹
(
いちょう
)
は黄なり、紅樹、青林、見渡す森は、みな
錦葉
(
もみじ
)
を含み、散残った柳の緑を、うすく
紗
(
しゃ
)
に
綾取
(
あやど
)
った中に、層々たる城の天守が、遠山の雪の
巓
(
いただき
)
を
抽
(
ぬ
)
いて
聳
(
そび
)
える。
縷紅新草
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
音羽小三郎の二人は
襟
(
たすき
)
を十字に
綾取
(
あやど
)
り、
端折
(
はしょり
)
を高く取り、
上締
(
うわじめ
)
をしめ、小長いのを引抜き物をも言わずツカ/\と進んでまいり、今八橋周馬が
敷台口
(
しきだいぐち
)
へ下りようとする前に
立塞
(
たちふさが
)
りました。
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
あの銀色をした温味のある白毛の
衾
(
しとね
)
から、すやすやと聞えやうかと耳を澄ます、
五月雨
(
さみだれ
)
には、森の青地を白く
綾取
(
あやど
)
つて、雨が
鞦韆
(
ブランコ
)
のやうに揺れる、
椽側
(
えんがは
)
に寝そべりながら、
団扇
(
うちは
)
で蚊をはたき
亡びゆく森
(新字旧仮名)
/
小島烏水
(著)
わざわざ十字に
綾取
(
あやど
)
りてと謂ったのである。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
後ろの
襖
(
ふすま
)
がさっと開いて、四十五六の武家が一人、
襷
(
たすき
)
を十文字に
綾取
(
あやど
)
り、
六尺柄皆朱
(
ろくしゃくえかいしゅ
)
の手槍をピタリと付けて、ズイと平次の方に寄ります。
銭形平次捕物控:051 迷子札
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ええ華族様は気の長いもんだ。」「素直に待ってちゃあ
埒
(
らち
)
が明かねえ。」「
蹈込
(
ふんご
)
め。」と土足のまま無体に
推込
(
おしこ
)
む、座敷の入口、家令と家扶は
襷
(
たすき
)
を
綾取
(
あやど
)
り、
袴
(
はかま
)
の
股立
(
ももだち
)
掻取
(
かいと
)
りて
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
金糸でややこしい刺繍の紋章を
綾取
(
あやど
)
った緋色の
帷帳
(
カーテン
)
がユラユラと動いたと思うとサッと左右に開いた。その中の
翡翠
(
ひすい
)
色の羽根布団を
押除
(
おしの
)
けて一つの驚くべき幻影がムクと起上った。
冥土行進曲
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
父爺
(
おやじ
)
の総六が
吩咐
(
いいつ
)
けのまま、手織縞の筒袖に、その雪のような西洋前垂、
背
(
せな
)
へ十字に
綾取
(
あやど
)
って、小さく結んだ菊模様の
友染唐縮緬
(
ゆうぜんとうちりめん
)
の帯お太鼓に、腰へ
捌
(
さば
)
いた緑の下げ髪、
裳
(
すそ
)
短こうふッくりと
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
これは
可恐
(
おそろ
)
しい
絲
(
いと
)
を
手繰
(
たぐ
)
つて、
天
(
そら
)
へ
投掛
(
なげか
)
け、
地
(
ち
)
に
敷
(
し
)
き
展
(
の
)
べ、
宙
(
ちう
)
に
綾取
(
あやど
)
る。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
“綾取(あやとり)”の解説
あやとり(綾取り)は、1本の紐の両端を結んで輪にし、主に両手の指に紐を引っ掛けたり外したりしながら、特定の物の形に見えるようにする伝統的な遊び。地域によっていととり、ちどりなど多くの異称がある。
(出典:Wikipedia)
綾
漢検準1級
部首:⽷
14画
取
常用漢字
小3
部首:⼜
8画
“綾”で始まる語句
綾
綾羅
綾錦
綾瀬
綾織
綾瀬川
綾小路
綾子
綾藺笠
綾衣