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端緒
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いとぐち
ふりがな文庫
“
端緒
(
いとぐち
)” の例文
是が縁に成って惠梅と水司又市の二人がおやま山之助の家へ来て永く足を留める。これが又一つ
仇討
(
あだうち
)
に成りまする
端緒
(
いとぐち
)
でございます。
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
二人は
沁々
(
しみじみ
)
とした心持で笑いました。が、事件はこれがほんの
端緒
(
いとぐち
)
で、この後に続く恐ろしい発展は、全く笑いごとではなかったのです。
銭形平次捕物控:074 二度死んだ男
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
鉄胤
(
かねたね
)
はじめその
子息
(
むすこ
)
さんの
延胤
(
のぶたね
)
とも交わりを結ぶ
端緒
(
いとぐち
)
を得たというだけにも満足して、十一屋の二階でいろいろと荷物を片づけにかかった。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
どうせそういう疑いの
端緒
(
いとぐち
)
を見出された上は、これまで私と関係のあった事を発見されてあるいは
奇禍
(
きか
)
を買われるような事があるかも知れない。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
このくらい紙があれば仕事は永続するに
違
(
ちが
)
いないと
先
(
ま
)
ず信仰して、
且
(
か
)
つ
此方
(
こっち
)
では払いをキリ/\して
遣
(
や
)
ると云うような
訳
(
わ
)
けで、
是
(
こ
)
れが
端緒
(
いとぐち
)
になって
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
▼ もっと見る
人間の事業の最高記念物、新発見の智識の庫として、非常に貴ばれたもので、これを精読して、自分の発見の
端緒
(
いとぐち
)
を得た人が、どの位あるかわからない。
ファラデーの伝:電気学の泰斗
(新字新仮名)
/
愛知敬一
(著)
何
(
なに
)
か
噺
(
はなし
)
の
端緒
(
いとぐち
)
でも
求
(
もと
)
めたいといふ
容子
(
ようす
)
で
栗
(
くり
)
の
木
(
き
)
の
梢
(
こずゑ
)
からだらりと
垂
(
たれ
)
てる
南瓜
(
たうなす
)
の
臀
(
しり
)
を
見上
(
みあ
)
げながらいつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
彼は他人に対して別に何事も
訊
(
き
)
こうとはしなかったが、それでも捜索の
端緒
(
いとぐち
)
になるような暗示があらば、どんなことでも聞き逃がすまいと、常に聴き耳を立てていた。
世界怪談名作集:16 鏡中の美女
(新字新仮名)
/
ジョージ・マクドナルド
(著)
こうして、事件の表面に最初の一石を投じて、あの全米の恐怖を明るみへ持出して
大騒動
(
センセイション
)
の
端緒
(
いとぐち
)
を作ったのは、この、バッファロの漫画家ケネス・オハラの失踪だったのである。
斧を持った夫人の像
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
平生
(
いつも
)
であったらその老人の冗談を
無駄口
(
むだぐち
)
の
端緒
(
いとぐち
)
にして
喋
(
しゃべ
)
りだすところであった。
女の怪異
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
説けりお
噺
(
はなし
)
は山村
俊雄
(
としお
)
と申すふところ育ち団十菊五を島原に見た帰り
途
(
みち
)
飯だけの突合いととある二階へ連れ込まれたがそもそもの
端緒
(
いとぐち
)
一向だね一ツ献じようとさされたる
猪口
(
ちょく
)
をイエどうも私はと一言を
かくれんぼ
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
と話の
端緒
(
いとぐち
)
を切り始める。眠るともなく藤吉は眼をつぶっていた。
釘抜藤吉捕物覚書:07 怪談抜地獄
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
藻西太郎の捕縛一条は昨夜より此近辺の大問題と
為
(
な
)
れる事なれば問ざるも先より語り出る程にして中に口重き者あらば実際に少しばかりの買物を為し
开
(
そ
)
を餌に話の
端緒
(
いとぐち
)
を釣出すなど掛引万々抜目なし
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
勿論推定の
端緒
(
いとぐち
)
を引き出すものではなかった。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
人は出世をして歓楽の
極
(
きわ
)
まる時は憂いの
端緒
(
いとぐち
)
で、何か間違いのあった時には、それ/″\力になる者がなければならない
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その事がやはりこの尊者に聞えてあるいは思いに
沈
(
しず
)
んで何か質問の
端緒
(
いとぐち
)
を捜して居るのではないかと思ったです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
事件の
端緒
(
いとぐち
)
を引出すことにかけては、親分の銭形平次に、毎々舌を巻かせるほどの名人だったのです。
銭形平次捕物控:041 三千両異変
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それよりは皆なの意見を
容
(
い
)
れて今しばらく伊東に滞在しておれ、とある。不思議だ、不思議だと、お種が思い続けたことは、
漸
(
ようや
)
く
端緒
(
いとぐち
)
だけ
呑込
(
のみこ
)
めることが出来るように成った。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
惣右衞門の忰惣吉が此の庵室を尋ねて参るという処から、新吉はもう
耐
(
こら
)
え兼ねて、草苅鎌を以て自殺致しますという、新吉改心の
端緒
(
いとぐち
)
でございます。
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
すくなくも元園町の友人が酒の上で言った言葉から、その
端緒
(
いとぐち
)
を見つけて来たというだけでも、彼に取って、
難有
(
ありがた
)
い賜物のように思われた。どうかして自分を救わねば成らない。同時に節子をも。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
“端緒”の意味
《名詞》
端緒(たんしょ、たんちょ)
物事の始まり。糸口。
(出典:Wiktionary)
端
常用漢字
中学
部首:⽴
14画
緒
常用漢字
中学
部首:⽷
14画
“端”で始まる語句
端
端折
端書
端唄
端然
端近
端々
端居
端倪
端艇