トップ
>
竪琴
>
たてごと
ふりがな文庫
“
竪琴
(
たてごと
)” の例文
「我らは無窮を追ふ無益の探究を捨てなむ。
而
(
しか
)
うして我らの身を現在の歓楽に
委
(
ゆだ
)
ねむ。
竪琴
(
たてごと
)
のこころよき音にふるふ長き黒髪に触れつつ」
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
彼にむかって手桶のよごれ水をぶっかけている女や
竪琴
(
たてごと
)
を小脇にかかえながら片手でゴーリキイの足元に繩わなをしかけようとしている男
道標
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
カテリイヌのあどけなさはおみちの平凡なあどけなさとは違った特色の魅力となって人にせまる。声は
竪琴
(
たてごと
)
にでも合いそうにすき透っていた。
巴里祭
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
しかしわたしの光は、花婿の
眼
(
め
)
が
輝
(
かがや
)
いていたように、輝いていました。——女性よ、詩人が生命の神秘をうたうときには、その
竪琴
(
たてごと
)
にキスをなさい!
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
ある高貴な魚族は、美しい
縞
(
しま
)
のある鮮緑の
藻
(
も
)
の
蔭
(
かげ
)
で、
竪琴
(
たてごと
)
をかき鳴らしながら、宇宙の音楽的調和を
讃
(
たた
)
えておった。
悟浄出世
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
▼ もっと見る
竪琴
(
たてごと
)
ひきの老人が召使部屋から呼ばれてきた。彼は今までそこで一晩じゅうかきならしていて、あきらかに主人の自家製の酒を
呑
(
の
)
んでいたらしかった。
クリスマス・イーヴ
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
あるいは、ゲーテの詩的な人物、たとえばウィルヘルム・マイステル中の
竪琴
(
たてごと
)
手ミニョンなどに、その簡明にして混濁せる個性を与えようとつとめた。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
姉
(
あね
)
の
姫
(
ひめ
)
は、この
景色
(
けしき
)
をあかずながめていられました。そして、
持
(
も
)
ってきた
竪琴
(
たてごと
)
を
弾
(
だん
)
じて
独
(
ひと
)
り
心
(
こころ
)
を
慰
(
なぐさ
)
めていました。
黒い塔
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
微醺
(
びくん
)
が頬へ現れた頃、歌い手三人ばかりが残照の花園に現れて、一人は
竪琴
(
たてごと
)
を奏で、一人がそれに合せて節面白く唄って酒興を添えてくれるのであった。
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
そこで思い出させるのはツルガ博士が沼のほとりで、
竪琴
(
たてごと
)
をぽろんぽろんとしずかにひいているのをじっと聞いていた恐竜のことだ。奴等は音楽が好きらしい。
恐竜島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そこには、アーチ形の古めかしい
墓穴
(
ぼけつ
)
が出てきたり、
竪琴
(
たてごと
)
を
抱
(
だ
)
いた天使が現われたり、物を言う花だの、はるかに
漂
(
ただよ
)
ってくる
楽
(
がく
)
の
音
(
ね
)
だの、たいした道具だてだった。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
また自刻の印章——ボート形の内に
竪琴
(
たてごと
)
と星を刻したの——が押してある。自分の家の門や庭の
芭蕉
(
ばしょう
)
などの精密な写生があるかと思うと、裏田んぼの印象風景などもある。
亮の追憶
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
サンドラ・ベロニが月下に
竪琴
(
たてごと
)
を弾いて、
以太利亜風
(
イタリアふう
)
の歌を森の中でうたってるところは
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ずぼらで、
粗
(
あら
)
いくせに、一面には、
竪琴
(
たてごと
)
の
絃
(
いと
)
が微風に鳴るような神経がかれにはある。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ふたりの恋人のささやきから、魂より発して
竪琴
(
たてごと
)
のように伴奏する旋律を取り去る時、あとに残るものはもはや一つの影にすぎない。「なんだ、そんなことか!」と人は言うであろう。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
僕はこの文章を書いてゐるうちに古代の日本に渡つて来たアツシリアの
竪琴
(
たてごと
)
を思ひ出した。大いなる印度は僕等の東洋を西洋と握手させるかも知れない。しかしそれは未来のことである。
文芸的な、余りに文芸的な
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
愛情がその彩色の輝きを増し、帽子の羽飾りは
竪琴
(
たてごと
)
のように震えている。
博物誌
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
彼女は
竪琴
(
たてごと
)
の
音
(
ね
)
の消えるような優しい声で、ゆるやかにささやきました。
世界怪談名作集:05 クラリモンド
(新字新仮名)
/
テオフィル・ゴーチェ
(著)
聞くと、まるで
竪琴
(
たてごと
)
を乱暴に鳴らしているように響きますからね
世界怪談名作集:06 信号手
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
竪琴
(
たてごと
)
みたいに弾きながら。
ランボオ詩集
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
一人
(
ひとり
)
は両手に大きな
竪琴
(
たてごと
)
。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
イスラエルの人民が泣きぬれてバビロンの
河辺
(
かわべ
)
に立ったとき、あの月は
竪琴
(
たてごと
)
のかかっているヤナギの木のあいだから、悲しげにそれをのぞいたこともあるのです。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
城や
荘園邸
(
しょうえんてい
)
の大広間には、
竪琴
(
たてごと
)
が鳴り、クリスマスの歌声がひびき、広い食卓にはもてなしのご馳走が山のように盛りあげられ、その重さに食卓は
唸
(
うな
)
り声をたてるほどだった。
クリスマス
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
揺籃
(
ゆりかご
)
、ラッパ、太鼓、木馬などが、光線のほとばしり出てる
竪琴
(
たてごと
)
を取巻いてる絵だった。
ジャン・クリストフ:03 第一巻 曙
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
と、そのうちの一本がぐにゃぐにゃと下りてきて、垂直に立つ他の二本の触角を、まるで
竪琴
(
たてごと
)
の
絃
(
いと
)
をはじきでもするかのように、ぽろんぽろんとはじいた。音が出たにちがいない。
宇宙戦隊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
姫
(
ひめ
)
は、
日
(
ひ
)
ごろ
自分
(
じぶん
)
の
心
(
こころ
)
を
慰
(
なぐさ
)
める、
小
(
ちい
)
さな
竪琴
(
たてごと
)
を
携
(
たずさ
)
えてゆくことを
忘
(
わす
)
れませんでした。これだけは、つねに
姫
(
ひめ
)
の
仲
(
なか
)
のよい
友
(
とも
)
だちであって、
月夜
(
つきよ
)
の
晩
(
ばん
)
に、
花
(
はな
)
の
下
(
した
)
に
姫
(
ひめ
)
を
慰
(
なぐさ
)
めたのであります。
黒い塔
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
六絃琴
竪琴
(
たてごと
)
に合わせて頬に涙を伝わらせながら、緩やかなテンポで、この国の哀歌らしいものを唄い、その前にはさながらこの奏楽に合わせてでもいるかのように、二、三人ばかりの侍女が
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
これについて思い出すのは古いアッシリアの
竪琴
(
たてごと
)
と正倉院にある
箜篌
(
くご
)
との類似である。クゴはシナ音クンフーでハープと縁がある。アラビアの竪琴ジュンク。マライのゲンゴンと称する竹製の竪琴。
日本楽器の名称
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
その
沼畔
(
ぬまほとり
)
に、ツルガ博士親子が身体をぴったりよせあっている。そして小さい
竪琴
(
たてごと
)
を、ぽろんぽろんとしずかに弾いているのだった。それはいいが、二人の前には、恐竜のおそろしい首があった。
恐竜島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
竪琴
(
たてごと
)
は頭のそばに置いてあり、犬は足もとに横たわっていました。——
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
“竪琴”の解説
竪琴(たてごと)は、複数の弦を上下方向に張り、各弦が固有の音を出す撥弦楽器の総称。
(出典:Wikipedia)
竪
漢検準1級
部首:⽴
13画
琴
常用漢字
中学
部首:⽟
12画
“竪琴”で始まる語句
竪琴草子