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りつざう
花畑へでも
抱いて
出ると、
綺麗な
蝶々は、
帯に
来て、
留つたんです、
最う
一つ
不思議なのは、
立像に
刻んだのが、
膝柔かにすつと
坐る。
鋸で
挽いて、
女の
立像だけ
抜いて
取る、と
鳥居は、
片仮名のヰの
字に
成つて、
祠の
前に、
森の
出口から、
田甫、
畷、
山を
覗いて
立つであらう。
天が
命じて、
我をして
為さしむる、
我が
作す
美女の
立像は、
其の
掌に
采を
包んで、
作の
神秘を
胸に
籠めやう。
容姿端麗、
遠く
藤原氏時代の
木彫だと
聞くが、
細い
指の
尖まで
聊も
缺け
損じた
處がない、すらりとした
立像の、
其の
法衣の
色が、
乃し
瞳に
映つた
其の
萌黄なのである。