砂原すなはら)” の例文
月日つきひは、いつのまにかたってしまいました。あにいもうと二人ふたりは、なかよく、海岸かいがん砂原すなはらで、しろに、に、いろいろのはなをつんだりしてあそんでいますうちに、おおきくなりました。
一本の銀の針 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そしてそれが痛くもかゆくもなく、日当りへ桃の花が、はらはらとこぼれるようで、長閑のどかで、うららかで、美しくって、それでいてさびしくって、雲のない空が頼りのないようで、緑の野が砂原すなはらのようで
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ぜいは、リビイの砂原すなはらあるはまた、丘上の角面堡より攻めんとす。
砂原すなはらのうへに白々しろじろにづるはしろがねすすきといふにし似たり
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
(これが想像さうざうした火星くわせい表面へうめんで一めん砂原すなはら植物しよくぶつもある。)
半月はんつきもたった、あらしのぎたあさのことでした。うみなみは、いつかの二兄弟きょうだいのはとがつかれはてて、砂原すなはらりているのをました。まちから、無事ぶじかえったものとおもわれます。
兄弟のやまばと (新字新仮名) / 小川未明(著)
日もすがら砂原すなはらに来てもだせりき海風うみかぜつよく我身わがみに吹くも
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
りもしないふねすくわれたこと、そして、いま、このどこともらないみなとについて、りくがって砂原すなはらにうずくまって、ひかりびているということすら、このときはあたまなかおもさずに
幸福に暮らした二人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あにいもうとは、海岸かいがん砂原すなはらうえで、いつもなかよくあそんでいました。
一本の銀の針 (新字新仮名) / 小川未明(著)
砂原すなはらうえを、そのおとは、ころげてきたのでした。
死と話した人 (新字新仮名) / 小川未明(著)