“矢間(やざま)” の例文
ひよいと飛上(とびあが)るのもあれば、ぐる/\と歩行(ある)き廻(まは)るのもあるし、胴(どう)を伸(の)ばして矢間(やざま)から衝(つ)と出(で)て、天守(てんしゆ)の棟(むね)で鯱立(しやちほこだ)ちに成(な)るのも見(み)える。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
窓は矢間(やざま)の用をなし、ここには二個の大砲と、八個の旋条銃(せんじょうじゅう)が用意されているほかに、なお多くの武器がある。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
そして一ノ木戸仁王門から、二ノ木戸の塀、下(しも)ノ堂の櫓(やぐら)や矢間(やざま)などの俄な砦(とりで)工事を指さしながら
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此(こ)の一階目(いつかいめ)の床(ゆか)は、今(いま)過(よぎ)つた野(の)に、扉(とびら)を建(た)てまはしたと見(み)るばかり広(ひろ)かつた。短(みじか)い草(くさ)も処々(ところ/″\)、矢間(やざま)に一(ひと)ツ黄色(きいろ)い月(つき)で、朧(おぼろ)の夜(よ)も同(おな)じやう。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
イバンスとケートが矢間(やざま)からこれを見ると、鉄砲玉(てっぽうだま)のロックとホーベスのふたりである。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
ぐる/\と急(いそ)いで廻(まは)つて取着(とつつ)いて追(お)つて上(のぼ)る。と此(こ)の矢間(やざま)の月(つき)は赤(あか)かつた。魔界(まかい)の色(いろ)であらうと思(おも)ふ。が、猶予(ためら)ふ隙(ひま)もなく直(たゞ)ちに三階目(さんがいめ)を攀(よ)ぢ上(のぼ)る……
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
椰子(やし)、檳榔子(びんろうじ)の生え茂つた山に添つて、城のやうに築上(つきあ)げた、煉瓦造(れんがづくり)がづらりと並んで、矢間(やざま)を切つた黒い窓から、弩(いしびや)の口がづん、と出て、幾つも幾つも仰向(あおむ)けに、星を呑(の)まうとして居るのよ……
印度更紗 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
椰子(やし)、檳榔子(びんらうじ)の生(は)え茂(しげ)つた山(やま)に添(そ)つて、城(しろ)のやうに築上(つきあ)げた、煉瓦造(れんぐわづくり)がづらりと並(なら)んで、矢間(やざま)を切(き)つた黒(くろ)い窓(まど)から、弩(いしびや)の口(くち)がづん、と出(で)て、幾(いく)つも幾(いく)つも仰向(あをむ)けに、星(ほし)を呑(の)まうとして居(ゐ)るのよ……
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)