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眗
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みまは
ふりがな文庫
“
眗
(
みまは
)” の例文
彌次郎
(
やじらう
)
が
其
(
そ
)
の
時代
(
じだい
)
には
夢
(
ゆめ
)
にも
室氣枕
(
くうきまくら
)
の
事
(
こと
)
などは
思
(
おも
)
ふまい、と
其處等
(
そこいら
)
を
眗
(
みまは
)
すと、
又
(
また
)
一人々々
(
ひとり/\
)
が、
風船
(
ふうせん
)
を
頭
(
あたま
)
に
括
(
くゝ
)
つて、ふはり/\と
浮
(
う
)
いて
居
(
ゐ
)
る
形
(
かたち
)
もある。
大阪まで
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
悄然
(
しようぜん
)
として
面
(
おもて
)
を挙げざる男、その陰に半ば身を潜めたる女、貫一は
両個
(
ふたり
)
の姿を
眗
(
みまは
)
しつつ、彼の答を待てり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
風早學士は、其の薄暗い物象と陰影とを
眗
(
みまは
)
して、一種耐へ難い悲哀の感に打たれた……彼自身にも何んの
所故
(
わけ
)
か、
因
(
わけ
)
が解らなかツたけれども、其の感觸は深刻に彼の胸を
剡
(
けづ
)
る。
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
女房
(
にようばう
)
は、
幾度
(
いくど
)
も
戸口
(
とぐち
)
へ
立
(
た
)
つた。
路地
(
ろぢ
)
を、
行願寺
(
ぎやうぐわんじ
)
の
門
(
もん
)
の
外
(
そと
)
までも
出
(
で
)
て、
通
(
とほり
)
の
前後
(
ぜんご
)
を
眗
(
みまは
)
した。
人通
(
ひとどほ
)
りも、もうなくなる。
夜釣
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
貫一は
為
(
せ
)
う事無しに
煙
(
けふり
)
を吹きつつ、この
赤樫
(
あかがし
)
の客間を夜目ながら
眗
(
みまは
)
しつ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
▼ もっと見る
と
眗
(
みまは
)
す
顏
(
かほ
)
を、
突然
(
いきなり
)
、
燕
(
つばめ
)
も
蝙蝠
(
かうもり
)
も
飛
(
と
)
ばずに、
柳
(
やなぎ
)
のみどりがさらりと
拂
(
はら
)
ふと、
其
(
そ
)
の
枝
(
えだ
)
の
中
(
なか
)
を
掻潛
(
かいくゞ
)
るばかり、しかも
一段
(
いちだん
)
づいと
高
(
たか
)
く、
目
(
め
)
が
覺
(
さ
)
めるやうな
廣
(
ひろ
)
い
河原
(
かはら
)
を
下
(
した
)
に、
眞蒼
(
まつさを
)
な
流
(
ながれ
)
の
上
(
うへ
)
に
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と
按摩
(
あんま
)
は、
坂上
(
さかがみ
)
が
然
(
さ
)
うして、きよろ/\と
瓦斯燈
(
がすとう
)
を
眗
(
みまは
)
す
内
(
うち
)
に、
先
(
さき
)
んじて
又
(
また
)
云
(
い
)
つた。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
不幸
(
ふかう
)
の
僧
(
そう
)
はつく/″\
此
(
この
)
状
(
さま
)
を
眗
(
みまは
)
し、
慨然
(
がいぜん
)
として
旅僧
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
眗
部首:⽬
10画