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目星
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めぼし
ふりがな文庫
“
目星
(
めぼし
)” の例文
H氏が東上して井上侯を訪問する場合には、いつも鴻池の埃臭い土蔵から一つ二つ
目星
(
めぼし
)
い
骨董物
(
こつとうもの
)
を持参する事を忘れなかつた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
十六日、前橋地方裁判所の嘱託を受けたる各地管轄の区裁判所判事は
目星
(
めぼし
)
き村民の家宅に就きて証拠物件の捜索を遂げぬ。
鉱毒飛沫
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
狭い土地に、数のない芸妓やによって、こうして会なんぞ
立込
(
たてこ
)
みますと、
目星
(
めぼし
)
い
妓
(
こ
)
たちは、ちゃっとの間に
皆
(
みんな
)
出払います。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ひょっと
目星
(
めぼし
)
い品が視野から彼女を呼び覚すと、彼女の青みがかった横長の眼がゆったりと開いて、対象の品物を夢のなかの
牡丹
(
ぼたん
)
のように眺める。
老妓抄
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
たしかにそのとおりで、犯人の
目星
(
めぼし
)
がさっぱりつかないので、この事件を担当している、
秋吉警部
(
あきよしけいぶ
)
はいらいらしていた。
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
その矛盾せる行為の相互間に生ずる一種の錯覚を以て、犯人に対する
目星
(
めぼし
)
を誤らしめんがために
執
(
と
)
りたる極めて巧妙なる手段なりと
思惟
(
しい
)
し得べし。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
目星
(
めぼし
)
いものはなさそうですが、「行きがけの
駄賃
(
だちん
)
だ」という考えで、一と
稼
(
かせ
)
ぎしようと思いました。
でたらめ経
(新字新仮名)
/
宇野浩二
(著)
それやこれやで、彼女たちの中の
嫉妬
(
しっと
)
深い者が
目星
(
めぼし
)
をつけられて厳重な
訊問
(
じんもん
)
を受けることになったが、そんな形跡もないことが知れて、此の方面の努力も
水泡
(
すいほう
)
に帰した。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
『これなら
娘
(
むすめ
)
の
婿
(
むこ
)
として
恥
(
はず
)
かしくない……。』
両親
(
りょうしん
)
の
方
(
ほう
)
では
早
(
はや
)
くもそれに
目星
(
めぼし
)
をつけ、それとなく
言葉
(
ことば
)
をかけたりしました。
娘
(
むすめ
)
の
方
(
ほう
)
でも、まんざら
悪
(
わる
)
い
気持
(
きも
)
もしないのでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「解っていますよ、
目星
(
めぼし
)
いものを売ったりなんかして、掻き集めた金は十五両」
銭形平次捕物控:088 不死の霊薬
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
自分はそこでこの怪しい殺人事件が起ってからの
目星
(
めぼし
)
い事柄を数えて見た。
広東葱
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
着くとすぐに、かねて
目星
(
めぼし
)
をつけておいた
三
(
み
)
の
輪
(
わ
)
の大叔父を訪ねた。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
一昨夏神主の社宅を造るとて
目星
(
めぼし
)
き老樹ことごとく伐り倒さる。
神社合祀に関する意見
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
七兵衛が
目星
(
めぼし
)
をつけておいたのはその邸。
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ひょっと
目星
(
めぼし
)
い品が視野から彼女を呼び覚すと、彼女の青みがかった横長の眼がゆったりと開いて、対象の品物を夢のなかの
牡丹
(
ぼたん
)
のように眺める。
老妓抄
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
当代の如何なる名探偵が駈け付けて来ても全然
目星
(
めぼし
)
の付けようのない犯罪が行える……否、現在そこいらでドシドシ行われているとしたらどうだね。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
六十三歳の
今日
(
こんにち
)
まで、色々な道楽を
仕
(
し
)
つくした人だけあつて、書画骨董もかなり
目星
(
めぼし
)
い物を集めてゐる。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
翌日僕は研究所内が最もだれきった空気になる午後三時を
見計
(
みはから
)
ってソッと三階へ上った。
兼
(
か
)
ねて
目星
(
めぼし
)
をつけて置いた例の本を抜きとると上から三段目の階段へ
載
(
の
)
せた。
階段
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
今回
省線
(
しょうせん
)
電車内に起りたる殺人事件は、本職を始め警視庁を
愚弄
(
ぐろう
)
することの
甚
(
はなは
)
だしきものにして、
爾来
(
じらい
)
極力
(
きょくりょく
)
探索
(
たんさく
)
の結果、
此程
(
このほど
)
漸
(
ようや
)
く犯人の
目星
(
めぼし
)
を
掴
(
つか
)
むことを得たるを以て
省線電車の射撃手
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その少年が前回の実母絞殺事件で無罪と相成りました
後
(
のち
)
も私は決して安心致しませんで、何とかして犯人の
目星
(
めぼし
)
をつけたいと考えました結果、被害者の実の姉で、少年の
伯母
(
おば
)
に当る
八代子
(
やよこ
)
という者や
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
目
常用漢字
小1
部首:⽬
5画
星
常用漢字
小2
部首:⽇
9画
“目”で始まる語句
目
目的
目出度
目前
目標
目貫
目覚
目論見
目下
目論