目出めで)” の例文
実に難有ありがた目出めでたい次第であるが、その目出たかろうと云うことが私には始めから測量が出来ずに、ただその時に現れた実の有様にを付けて
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
たか大家たいかと云はれてたさに無暗むやみ原稿紙げんかうしきちらしては屑屋くづや忠義ちうぎつくすを手柄てがらとは心得こころえるお目出めでたき商売しやうばいなり。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
その内に、今回の事は君がモラル・バックボーンを有している証拠になるから目出めでたいという句が見えた。
一 まゐり来てこのもんを見申せや、ひの木さわらで門立かどたてゝ、これ目出めでたい白かねの門
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
た々々! 諸君しよくん目出めでたう、院長閣下ゐんちやうかくか我々われ/\訪問はうもんせられた! 畜生ちくしやうめ!』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
年目ねんめにはわたしところにもお目出めでたうを他人ひとからははれて、犬張子いぬはりこ風車かざぐるまならべたてるやうりましたれど、なんのそんなことわたし放蕩のらのやむことか、ひとかほ女房にようぼたせたらあしまるか
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
伊予いよにいる一旧友は余が学位を授与されたという通信を読んで賀状を書こうと思っていた所に、辞退の報知を聞いて今度は辞退の方を目出めでたく思ったそうである。
或時あるときはデレリ茫然ばうぜんとしておいもえたも御存ごぞんじなきお目出めでたき者は当世たうせう文学者ぶんがくしやいてぞや。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
た! 諸君しょくん目出めでとう、院長閣下いんちょうかっか我々われわれ訪問ほうもんせられた! こン畜生ちくしょうめ!』
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
いやだ、うしても此縁このえんにつながれて、これからの永世ながらくひかりもうちくらすのかしら、いやことの、なさけないこのやうなことおもふて、ひとはお目出めでたうとふてれてもわたしすこしもうれしいとはおもはず
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)