トップ
>
皓歯
>
しらは
ふりがな文庫
“
皓歯
(
しらは
)” の例文
旧字:
皓齒
女房が気を利かせて、箸箱をと思う間もなく、愛吉のを取って、
臆面
(
おくめん
)
なし、海鼠は、口に
入
(
い
)
って紫の珠はつるりと
皓歯
(
しらは
)
を
潜
(
くぐ
)
った。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
皓歯
(
しらは
)
の輝きが一つ一つ消え行くにつれて、それに取って代った
天鵞絨
(
びろうど
)
のような
斑
(
まだら
)
が、みるみる顔一面に滲み拡がっていった。
白蟻
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
あの艶を
帯
(
も
)
つた
清
(
すゞ
)
しい
眸
(
ひとみ
)
、物言ふ毎にあらはれる
皓歯
(
しらは
)
、直に
紅
(
あか
)
くなる頬——その真情の
外部
(
そと
)
に輝き
溢
(
あふ
)
れて居る女らしさを考へると、何時の間にか丑松はお志保の
俤
(
おもかげ
)
を描いて居たのである。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
素顔に口紅で
美
(
うつくし
)
いから、その色に
紛
(
まが
)
うけれども、可愛い
音
(
ね
)
は、唇が鳴るのではない。お
蔦
(
つた
)
は、
皓歯
(
しらは
)
に
酸漿
(
ほおずき
)
を含んでいる。……
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
旅客も
杖
(
ステッキ
)
をたてかけて、さしむかいに背を
屈
(
かが
)
め、石を
掻抱
(
かいだ
)
くようにして、手をついて実を
視
(
なが
)
めたが、
眦
(
まなじり
)
を返して近々と我を迎うる
皓歯
(
しらは
)
を見た。
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
「いいえ。」と云って、袖に抱いた風呂敷包みの紫を、
皓歯
(
しらは
)
で
噛
(
か
)
んだ。この時、この色は、瞼のその
朱
(
あけ
)
を奪うて、
寂
(
さみ
)
しく白く見えたのである。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
素顔の雪に化粧して、
皓歯
(
しらは
)
に紅を濃く含み、神々しく気高いまで、お珊はここに、黛さえほんのりと描いている。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
皓歯
(
しらは
)
でその、足袋の紐に口紅の附いたのを見て、晩方の土の
紺泥
(
こんでい
)
に、真紅の
蓮花
(
れんげ
)
が咲いたように迷出して、大堕落をしたと言う、いずれ堕落して還俗だろうさ。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
すぐに美人が、手の針は、まつげにこぼれて、目に見えぬが、糸は優しく、
皓歯
(
しらは
)
にスッと含まれた。
二、三羽――十二、三羽
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と斜めに警官を見て、
莞爾
(
にっこ
)
り笑う……
皓歯
(
しらは
)
も見えて、毛筋の通った、
潰
(
つぶし
)
島田は
艶麗
(
あでやか
)
である。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ところで
大胆
(
だいたん
)
にその
盃
(
さかずき
)
を、
少
(
わか
)
い女に返しますとね、半分ばかり貴婦人に
注
(
つ
)
いでもらって、袖を膝に
載
(
の
)
せながら、少し横向きになって、カチリと
皓歯
(
しらは
)
の音がした、目を
瞑
(
ねむ
)
って飲んだんです。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
急に唇を
屹
(
きっ
)
と結び、笑くぼを刻みながら涙を
堪
(
こら
)
えて、キリリと
鳴
(
なら
)
す
皓歯
(
しらは
)
の音。
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
大通
(
おおどおり
)
へ抜ける暗がりで、甘く、且つ
香
(
かんば
)
しく、
皓歯
(
しらは
)
でこなしたのを、口移し……
売色鴨南蛮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「いや、——
食切
(
くいき
)
ってくれ、その
皓歯
(
しらは
)
で。……潔くあなたに上げます。」
鷭狩
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
扇子
(
おうぎ
)
を
翳
(
かざ
)
し、胸を反らして
熟
(
じっ
)
と仰いだ、美津の瞳は氷れるごとく、
瞬
(
またたさ
)
もせず
睜
(
みは
)
ると
斉
(
ひと
)
しく、
笑靨
(
えくぼ
)
に
颯
(
さっ
)
と影がさして、
爪立
(
つまだ
)
つ足が震えたと思うと、唇をゆがめた
皓歯
(
しらは
)
に、
莟
(
つぼみ
)
のような血を
噛
(
か
)
んだが
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
飽けば火鉢の
縁
(
へり
)
に
肱
(
ひじ
)
つき、
小楊枝
(
こようじ
)
にて
皓歯
(
しらは
)
をせせりながら
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
皓歯
(
しらは
)
に
紅
(
べに
)
よ、
凄
(
すご
)
いようじゃない事、夜が更けた、
色艶
(
いろつや
)
は。
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と、あとのに、いきなりまた
皓歯
(
しらは
)
を当てると
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「ほほほ。」と、罪の無い
皓歯
(
しらは
)
の
莟
(
つぼみ
)
。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
しかも
皓歯
(
しらは
)
と前髪で。……
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
しかも
皓歯
(
しらは
)
と前髪で——
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“皓歯”の意味
《名詞》
皓歯(こうし)
白(しろ)い歯。美人を形容する語。
(出典:Wiktionary)
皓
漢検1級
部首:⽩
12画
歯
常用漢字
小3
部首:⽌
12画
“皓歯”で始まる語句
皓歯明眸