トップ
>
溝端
>
どぶばた
ふりがな文庫
“
溝端
(
どぶばた
)” の例文
いよいよ谷深く、水が
漆
(
うるし
)
を流した
溝端
(
どぶばた
)
に、
茨
(
いばら
)
のごとき格子
前
(
さき
)
、消えずに目に着く狐火が一つ、ぼんやりとして(
蔦屋
(
つたや
)
)とある。
第二菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ツァウォツキイは今一人の
破落戸
(
ごろつき
)
とヘルミイネンウェヒの裏の
溝端
(
どぶばた
)
で
骨牌
(
かるた
)
をしていた。そのうち暗くなって骨牌が見分けられないようになった。
破落戸の昇天
(新字新仮名)
/
フェレンツ・モルナール
(著)
崕
(
がけ
)
の
溝端
(
どぶばた
)
に
真俯向
(
まうつむ
)
けになって、生れてはじめて、許されない禁断の
果
(
このみ
)
を、相馬の名に負う、轡をガリリと頬張る思いで、馬の口にかぶりついた。
売色鴨南蛮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
黒塀
(
くろべい
)
の、
溝端
(
どぶばた
)
の
茣蓙
(
ござ
)
へ、
然
(
さ
)
も
疲
(
つか
)
れたやうに、ほつと、くの
字
(
じ
)
に
膝
(
ひざ
)
をついて、
婦連
(
をんなれん
)
がいたはつて
汲
(
く
)
んで
出
(
だ
)
した、ぬるま
湯
(
ゆ
)
で、
輕
(
かる
)
く
胸
(
むね
)
をさすつた。その
婦
(
をんな
)
の
風情
(
ふぜい
)
は
媚
(
なまめ
)
かしい。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
漸
(
やつ
)
と
一
(
ひと
)
どんぶり、それでも
我慢
(
がまん
)
に
平
(
たひら
)
げて、「うれしい、お
見事
(
みごと
)
。」と
賞
(
ほ
)
められたが、
歸途
(
かへり
)
に
路
(
みち
)
が
暗
(
くら
)
く
成
(
な
)
つて、
溝端
(
どぶばた
)
へ
出
(
で
)
るが
否
(
いな
)
や、げツといつて、
現實
(
げんじつ
)
立所
(
たちどころ
)
に
暴露
(
ばくろ
)
におよんだ。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
老耄
(
おいぼれ
)
儒者めが、
家
(
うち
)
に
引込
(
ひっこ
)
んで、
溝端
(
どぶばた
)
へ、
桐
(
きり
)
の
苗
(
なえ
)
でも植ゑ、孫娘の嫁入道具の算段なりとして
居
(
お
)
れば済むものを——いや、
何時
(
いつ
)
の世にも当代におもねるものは、当代の学者だな。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
火
(
ひ
)
の
雲
(
くも
)
をかくした
櫻
(
さくら
)
の
樹立
(
こだち
)
も、
黒塀
(
くろべい
)
も
暗
(
くら
)
く
成
(
な
)
つた。
舊暦
(
きうれき
)
七
月
(
ぐわつ
)
二十一
日
(
にち
)
ばかりの
宵闇
(
よひやみ
)
に、
覺束
(
おぼつか
)
ない
提灯
(
ちやうちん
)
の
灯
(
ひ
)
一
(
ひと
)
つ
二
(
ふた
)
つ、
婦
(
をんな
)
たちは
落人
(
おちうど
)
が
夜鷹蕎麥
(
よたかそば
)
の
荷
(
に
)
に
踞
(
かゞ
)
んだ
形
(
かたち
)
で、
溝端
(
どぶばた
)
で、のどに
支
(
つか
)
へる
茶漬
(
ちやづけ
)
を
流
(
なが
)
した。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
溝
常用漢字
中学
部首:⽔
13画
端
常用漢字
中学
部首:⽴
14画
“溝”で始まる語句
溝
溝板
溝渠
溝川
溝泥
溝鼠
溝口
溝際
溝壑
溝店