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うきな
ふりがな文庫
“
浮名
(
うきな
)” の例文
君はこう云う「
和歌
(
うた
)
」知ってるかい? 「
嘆
(
なげ
)
きわび 身をば捨つとも
亡
(
な
)
き
影
(
かげ
)
に
浮名
(
うきな
)
流さむ ことをこそ思え……」
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
こんな人達と
繁々
(
しげ/\
)
往来
(
ゆきき
)
をすれば、兎角
浮名
(
うきな
)
の立つ世間である。喜田博士は歴史家だけに、そんな事はよく
弁
(
わきま
)
へてゐた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
御法
(
ごほう
)
によって
男女
(
ふたり
)
とも、生きながらの
曝
(
さら
)
し者となり、
鰒
(
ふぐ
)
食
(
く
)
ったむくいとはいえ、
浮名
(
うきな
)
というには、あまりにもひどい人の目や指にとり巻かれている。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして、日が
経
(
た
)
つに従うて、見もせず聞きもせぬけれど、
浮名
(
うきな
)
が立って
濡衣
(
ぬれぎぬ
)
着た、その明さんが何となく、慕わしく、懐かしく、
果
(
はて
)
は恋しく、
憧憬
(
あこが
)
れる。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
○およそ 菅神を
祀
(
まつ
)
る
社
(
やしろ
)
にはおほかたは
雷除
(
らいよけ
)
の
護府
(
まもり
)
といふ物あり。此 御神雷の
浮名
(
うきな
)
をうけ玉ひたるゆゑ、
神灵
(
しんれい
)
雷
(
らい
)
を
忌
(
いみ
)
玉ふゆゑに此まもりかならず
験
(
しるし
)
あるべし。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
▼ もっと見る
蒲「さうさう、それ、あの時分
浮名
(
うきな
)
の
聒
(
やかまし
)
かつた、何とか云つたけね、それ、君の所に居つた美人さ」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
これは久しき前よりの事に候へども、御存じの通の私が身持、
昨日
(
きのう
)
は誰
今日
(
きょう
)
は誰と
浮名
(
うきな
)
の立つを何とも思はず、つひこの頃までも親方と私との中は知らぬ人なき位に候ふ事とて
そめちがへ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
昔は水戸様から
御扶持
(
ごふち
)
を頂いていた家柄だとかいう
棟梁
(
とうりょう
)
の
忰
(
せがれ
)
に思込まれて、
浮名
(
うきな
)
を近所に
唄
(
うた
)
われた風呂屋の女の何とやらいうのは、
白浪物
(
しらなみもの
)
にでも出て来そうな旧時代の淫婦であった。
伝通院
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
勿論深草を尋ねても鐙はなくって、片鐙の
浮名
(
うきな
)
だけが金八の利得になったのである。
骨董
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「まあ、ようござんす、どのみち
浮名
(
うきな
)
を立てられるうちが、人間の花ですからね」
大菩薩峠:18 安房の国の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
色廓
(
くるわ
)
はつい程近く絃歌は夜々に浮き立ちて
其処此処
(
そこここ
)
の茶屋小屋よりお春招べとの客も降るほどなれど、芸道専一と身を占めて、ついぞ
浮名
(
うきな
)
も流さぬ彼女も、ふと呉羽之介を
見初
(
みそ
)
めてより
艶容万年若衆
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
暑
(
あつ
)
いにつけ、
寒
(
さむ
)
いにつけ、
切
(
せつ
)
ない
思
(
おも
)
いは、いつも
谷中
(
やなか
)
の
空
(
そら
)
に
通
(
かよ
)
ってはいたが、
今
(
いま
)
ではお
前
(
まえ
)
も
人気娘
(
にんきむすめ
)
、うっかりあたしが
訪
(
たず
)
ねたら、あらぬ
浮名
(
うきな
)
を
立
(
た
)
てられて、さぞ
迷惑
(
めいわく
)
でもあろうかと、きょうが
日
(
ひ
)
まで
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
眉山が
一葉
(
いちよう
)
女史との
浮名
(
うきな
)
を歌われたのもその頃であった。
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
浮名
(
うきな
)
をいとはば
舟
(
ふね
)
にのれ
浮名
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
○およそ 菅神を
祀
(
まつ
)
る
社
(
やしろ
)
にはおほかたは
雷除
(
らいよけ
)
の
護府
(
まもり
)
といふ物あり。此 御神雷の
浮名
(
うきな
)
をうけ玉ひたるゆゑ、
神灵
(
しんれい
)
雷
(
らい
)
を
忌
(
いみ
)
玉ふゆゑに此まもりかならず
験
(
しるし
)
あるべし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
大納言様の道ならぬ
浮名
(
うきな
)
の恋でございます。しかも相手はとんだ
賤
(
いや
)
しい
田舎娘
(
いなかむすめ
)
。いや、これだけはっきり
尻尾
(
しっぽ
)
を
掴
(
つか
)
んだら、それこそ大納言様の名声もたちどころ、と云ったよりどころでござりますぞ。
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
その頃、かくれもない問題だったと聞いているふたりの
浮名
(
うきな
)
は。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
浮
常用漢字
中学
部首:⽔
10画
名
常用漢字
小1
部首:⼝
6画
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