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洋犬
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かめ
ふりがな文庫
“
洋犬
(
かめ
)” の例文
「なんでえ、まるっきり
洋犬
(
かめ
)
じゃねえか。くそ面白くもねえ、そう言うお前はいってえ、何の臭いだか、え、彦、自身で伺いを立てて見なよ。」
釘抜藤吉捕物覚書:10 宇治の茶箱
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
此處でも籾を
乾
(
ほ
)
してゐる牛部屋の前の廣場には、人影が見えないで、耳の垂れた
洋犬
(
かめ
)
が
此方
(
こつち
)
を向いて大きな欠伸をした。
父の婚礼
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
それをまたその人々の飼犬らしい、毛色のいい、
猟虎
(
らっこ
)
のような茶色の
洋犬
(
かめ
)
の、口の長い、耳の大きなのが、浪際を放れて、
巌
(
いわ
)
の根に控えて見ていた。
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「何、若旦那は
何
(
ど
)
うも
為
(
し
)
ねえが、大事の
洋犬
(
かめ
)
を
殺
(
や
)
られたので、力を落していなさる
様
(
よう
)
だよ。」
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
同時に葉茶屋の方のは、狆と思っていたが、何んだか
洋犬
(
かめ
)
のように見えて来て、どうも貧弱で、下品で、一緒に並んでいても「種」の方へは寄りつけないように見えて来ました。
幕末維新懐古談:54 好き狆のモデルを得たはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
▼ もっと見る
此の頃は
何方様
(
どちらさま
)
へ参りましても
洋犬
(
かめ
)
が居りまして、其の
洋犬
(
かめ
)
が御主人の
使
(
つかい
)
をいたし、
或
(
あるい
)
は賊を見て吠える所で見ますれば、他人と主人とは
正
(
ちゃん
)
と自然に其の区別を知って居りますので。
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
眞黒
(
まつくろ
)
な
艷
(
つや
)
の
佳
(
い
)
い
洋犬
(
かめ
)
が一
匹
(
ぴき
)
、
腮
(
あご
)
を
地
(
ぢ
)
に
着
(
つ
)
けて
臥
(
ねそ
)
べつて、
耳
(
みゝ
)
を
埀
(
た
)
れたまゝ
是
(
こ
)
れ
亦
(
また
)
尾
(
を
)
をすら
動
(
うご
)
かさず、
廣庭
(
ひろには
)
の
仲間
(
なかま
)
に
加
(
くは
)
はつて
居
(
ゐ
)
た。そして
母屋
(
おもや
)
の
入口
(
いりくち
)
の
軒陰
(
のきかげ
)
から
燕
(
つばめ
)
が
出
(
で
)
たり
入
(
はひ
)
つたりして
居
(
ゐ
)
る。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
女房は独り機嫌悪く、
由緒
(
よし
)
なき
婦人
(
おんな
)
を引入れて、
蒲団
(
ふとん
)
は汚れ畳は台無し。
鶏卵
(
たまご
)
の氷のと喰べさせて、
一言
(
ひとこと
)
の礼も聞かず。流れ渡った
洋犬
(
かめ
)
でさえ骨一つでちんちんお
預
(
あずけ
)
はするものを。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
洋犬
(
かめ
)
の
妾
(
めかけ
)
になるだろうと謂われるほど、その緋の袴でなぶられるのを
汚
(
けがら
)
わしがっていた、
処女
(
むすめ
)
気で、思切ったことをしたもので、それで胸がすっきりしたといつか
私
(
わたくし
)
に話しましたっけ。
政談十二社
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
同一
(
おなじ
)
色にコスモスは、庭に今
盛
(
さかり
)
だし、四季咲の
黄薔薇
(
きばら
)
はちょいと
覗
(
のぞ
)
いてももうそこらの垣根には咲いている、とメトロポリタンホテルは近し、耳
馴
(
な
)
れぬ
洋犬
(
かめ
)
は吠えるし、汽笛は鳴るし
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ざんぶと浪に黒く飛んで、
螺線
(
らせん
)
を描く白い
水脚
(
みずあし
)
、泳ぎ出したのはその
洋犬
(
かめ
)
で。
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
洋
常用漢字
小3
部首:⽔
9画
犬
常用漢字
小1
部首:⽝
4画
“洋”で始まる語句
洋燈
洋傘
洋杖
洋袴
洋服
洋盃
洋灯
洋卓
洋琴
洋