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すいじん
ふりがな文庫
“
水神
(
すいじん
)” の例文
「かう言つちや何ですが、もしや貴方のお荷物に、何か
大切
(
だいじ
)
な物があつて、
水神
(
すいじん
)
様がそれを欲しがつてるのぢやありますまいか知ら。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
満願寺屋
(
まんがんじや
)
水神
(
すいじん
)
騒ぎの一件か、それとも、ことによったらいろはがるたの——ではあるまいか、ともう
歴然
(
ありあり
)
と持ち前の気負いを見せて来るのだ。
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「ほんと。めッきり、三味線もお巧者になるし……。そのうちに、
水神
(
すいじん
)
あたりで、しんみり伺わせてもらいましょうかね」
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
水神
(
すいじん
)
あたりのお客でしょうよ。この大雪に駕籠を走らせ、水神あたりへしけ込むとは、若くなければ出来ない道楽だ」
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
村の人びとは、翌日
水神
(
すいじん
)
の告げを知らして来た旅の男を水神の
社
(
やしろ
)
の内に見つけて、それを
神主
(
かんぬし
)
として置くことになり、社の傍にその住居をかまえた。
ある神主の話
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
▼ もっと見る
しかもこの若い御新造は、時々女権論者と一しょに、
水神
(
すいじん
)
あたりへ男連れで泊りこむらしいと云うじゃありませんか。
開化の良人
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
何分にも残暑がひどいので、向島の
水神
(
すいじん
)
に出かけて
凉
(
りょう
)
を
納
(
い
)
れていると、池の中で何かしきりに跳ねている。
地震なまず
(新字新仮名)
/
武者金吉
(著)
橋向
(
はしむこう
)
にある昔ながらの白鬚神社や
水神
(
すいじん
)
の
祠
(
ほこら
)
の眺望までを何やら興味のないものにしているのも無理はない。
水のながれ
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
それでもひまがあると、水に
縁
(
えん
)
のある神様だというので、
水神
(
すいじん
)
さまのお
社
(
やしろ
)
に、夫婦しておまいりしては
たにしの出世
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「きゅうりの、
初
(
はつ
)
なりを、
水神
(
すいじん
)
さまにあげなさい。」と、おっしゃったので、ぼくは、
畑
(
はたけ
)
から、みごとなきゅうりを、もいできて、それへ、
自分
(
じぶん
)
の
名
(
な
)
を
書
(
か
)
きました。
水七景
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
夕暮になって、一行が
水神
(
すいじん
)
の八百松へ晩餐をとりに入ろうとすると、みち子は、柚木をじろりと眺めて
老妓抄
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
むこうは
水神
(
すいじん
)
の森。波止めの杭に柳がなびき、ちょうど
上汐
(
あげしお
)
で、川風にうっすら潮の
香
(
か
)
がまじる。
顎十郎捕物帳:12 咸臨丸受取
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
水神
(
すいじん
)
の森の中で、花時は大した繁昌ですが、そのお銀と申す、
如何
(
いかが
)
わしい女に溺れ、家を外にいたしますので、この春から一と間に押し込め、
窮命
(
きゅうめい
)
をさせておりました。
銭形平次捕物控:321 橋場の人魚
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
遠くは
水神
(
すいじん
)
、近くは
首尾
(
しゅび
)
の松あたりを納涼の場所とし、両国を遊覧の起点とする江戸で、柳橋につないである多くの
屋形船
(
やかたぶね
)
は今後どうなるだろうなどと言って見せるのもこの人だ。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
夕暮になって、一行が
水神
(
すいじん
)
の八百松へ
晩餐
(
ばんさん
)
をとりに入ろうとすると、みち子は、柚木をじろりと眺めて
老妓抄
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「てめえ一人が無事で帰っちゃ、仲間の義理が欠けるだろう。生き死には、
水神
(
すいじん
)
様に相談してみろ」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
午後
(
ひるすぎ
)
に夕立を
降
(
ふら
)
して去った雷鳴の名残が遠く
幽
(
かすか
)
に聞えて、真白な大きな雲の峰の一面が夕日の反映に染められたまま見渡す
水神
(
すいじん
)
の
森
(
もり
)
の
彼方
(
かなた
)
に浮んでいるというような時分
夏の町
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
水神
(
すいじん
)
さまの
申
(
もう
)
し
子
(
ご
)
でありながら、わけがあって、十年ものながいあいだ、たにしのからのなかに
封
(
ふう
)
じ込められていたのが、きょう、およめさんが
水神
(
すいじん
)
さまのお
社
(
やしろ
)
に
参詣
(
さんけい
)
して
たにしの出世
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「きゅうりは、ぶかぶかと
流
(
なが
)
れて、
遠
(
とお
)
い
遠
(
とお
)
い
海
(
うみ
)
の
方
(
ほう
)
へいってしまうのですよ。それでもおまえの
志
(
こころざし
)
だけは、
水神
(
すいじん
)
さまに
通
(
とお
)
るのです……。」と、お
母
(
かあ
)
さんは
哀
(
あわ
)
れっぽい
声
(
こえ
)
でいわれました。
遠くで鳴る雷
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「いくら
水神
(
すいじん
)
さまのお
申
(
もう
)
し
子
(
ご
)
でも、こんなりこうな口をきくたにしはめずらしい」
たにしの出世
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「まあ、みごとな、いい
初
(
はつ
)
なりですね。これは
食
(
た
)
べるのではありません。おまえが、
釣
(
つ
)
りにいったり、
泳
(
およ
)
ぎにいったりするから、
水神
(
すいじん
)
さまにあげるのです。」と、お
母
(
かあ
)
さんはいわれました。
遠くで鳴る雷
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
声もなく、川千鳥が白く渡った、
待乳
(
まつち
)
の山から
水神
(
すいじん
)
の森あたりへ。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
水神
(
すいじん
)
さまは、きゅうりをたべなさるの?」
遠くで鳴る雷
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“水神”の意味
《名詞》
水神 (すいじん)
水の神。
(出典:Wiktionary)
“水神”の解説
水神(すいじん、みずがみ)は、水(主に淡水)に関する神の総称である。
(出典:Wikipedia)
水
常用漢字
小1
部首:⽔
4画
神
常用漢字
小3
部首:⽰
9画
“水神”で始まる語句
水神様