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気丈
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きじょう
ふりがな文庫
“
気丈
(
きじょう
)” の例文
旧字:
氣丈
彼は最初の二三台を親の
敵
(
かたき
)
でも
覘
(
ねら
)
うように
怖
(
こわ
)
い眼つきで
吟味
(
ぎんみ
)
した
後
(
あと
)
、少し心に
余裕
(
よゆう
)
ができるに連れて、腹の中がだんだん
気丈
(
きじょう
)
になって来た。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
母親ヴァルヴァーラは三十五
歳
(
さい
)
で初めて
結婚
(
けっこん
)
した、
気丈
(
きじょう
)
でヒステリックで野性的な、いわば典型的なロシアの女地主でした。
「はつ恋」解説
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
妙光尼
(
みょうこうに
)
は、だまって
頷
(
うなず
)
いた。主君の寵があればある程、六人の子を擁して、人なかに生きてゆくことは、よほど
気丈
(
きじょう
)
が
要
(
い
)
る。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかし、
気丈
(
きじょう
)
なお
老人
(
としより
)
だから、夢中になっているようなようすは見せない。キャラコさんのほうも、ことさららしく話しかけたりするようなことはしない。
キャラコさん:05 鴎
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
カトリーヌおばさんは一
時間
(
じかん
)
おくれてやって来た。わたしたちはまだはげしく泣いていた。いちばん
気丈
(
きじょう
)
なエチエネットすら今度の大波にはすっかり足をさらわれた。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
▼ もっと見る
気丈
(
きじょう
)
な母は良人の病が不治だということを知ると、毎晩家事が片づいてから農学校の学生に来てもらって、作文、習字、生理学、英語というようなものを勉強し始めた。
星座
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
気丈
(
きじょう
)
なNさんは左の手にしっかり相手の手を抑えながら、「何です、失礼な。あたしはこの屋敷のものですから、そんなことをおしなさると、門番の
爺
(
じい
)
やさんを呼びますよ」
春の夜
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
母人は
気丈
(
きじょう
)
の人なれば振り返りあとを見送りたれば、親縁の人々の打ち
臥
(
ふ
)
したる座敷の方へ近より行くと思うほどに、かの狂女のけたたましき声にて、おばあさんが来たと叫びたり。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
が、
気丈
(
きじょう
)
な博士はまっさおになりながら、じっとそのふしぎなものを見つめていた。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
と云いながら
硯箱
(
すゞりばこ
)
を
引寄
(
ひきよ
)
せますゆえ、おいさは
泣々
(
なく/\
)
蓋
(
ふた
)
を取り、
泪
(
なみだ
)
に墨を
磨
(
す
)
り流せば、
手負
(
ておい
)
なれども
気丈
(
きじょう
)
の丈助、金十万円の借用証書を認めて、
印紙
(
いんし
)
を
貼
(
は
)
って、
実印
(
じついん
)
を
捺
(
お
)
し、ほッ/\/\と息をつき
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
気丈
(
きじょう
)
な子でした、すぐにあり合わす木の枝を拾い取って振り上げると、猿どもは眼を
剥
(
む
)
き出し白い歯を突き出してキャッキャッと叫びながら、少女に飛びかかろうとして、
物凄
(
ものすご
)
い光景になりましたが
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「や、どうもお蔭様で有難うがす。なあにぶつかって見りゃあまるでたわいはありませんや。
気丈
(
きじょう
)
だの、勝気だのと云ったって、女はやっぱり女でげす。からッきし、だらしも何もあった話じゃありません。」
幇間
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
気丈
(
きじょう
)
なので人に涙を見せないのであろうと、尼はなおさら
可憐
(
いと
)
しがったが、政子は自分を
偽
(
いつわ
)
ってはいないのである。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お婆様は
気丈
(
きじょう
)
な方で
甲斐々々
(
かいがい
)
しく世話をすますと、若者に向って心の底からお礼をいわれました。若者は
挨拶
(
あいさつ
)
の言葉も
得
(
え
)
いわないような人で、
唯
(
ただ
)
黙ってうなずいてばかりいました。
溺れかけた兄妹
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
「思ったよりは、
寠
(
やつ
)
れてもいない。なかなか
気丈
(
きじょう
)
そうな女子ですこと。——何か、お言葉をかけておやりなさい」
日本名婦伝:静御前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼れは
気丈
(
きじょう
)
にも転がりながらすっくと起き上った。直ぐ彼れの馬の所に飛んで行った。馬はまだ起きていなかった。
後趾
(
あとあし
)
で反動を取って起きそうにしては、前脚を折って倒れてしまった。
カインの末裔
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
さすが
気丈
(
きじょう
)
な
怪童子
(
かいどうじ
)
も、その一
瞬
(
しゅん
)
に、にわかにあたりが
暗
(
くら
)
くなった
心地
(
ここち
)
がして、名刀
般若丸
(
はんにゃまる
)
をふりかぶったまま、五
肢
(
し
)
を
弓形
(
ゆみなり
)
に
屈
(
くっ
)
して、ドーンとうしろへたおれてしまった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ところが、色が黒うて、ただ男まさりな
気丈
(
きじょう
)
と、体の逞しいのが
取得
(
とりえ
)
の乳母じゃ。それをいつも、奥女中たちにからかわれてな、何かにつけ、色の黒いを恥ろうてばかりおった。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
松寿丸
(
しょうじゅまる
)
は、半兵衛
重治
(
しげはる
)
に
伴
(
ともな
)
われて、この平井山の味方へ
初陣
(
ういじん
)
として加わって以来、もう幾たびか戦場も駈け、生れて初めて、鉄砲槍の中も歩き、わずかな間に、見ちがえるほど、
気丈
(
きじょう
)
となり
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
気丈
(
きじょう
)
ではあり、むさくるしいのが嫌いなので、どんな朝でも、病室は清掃させ、そして
浄
(
きよ
)
らかな朝の間の陽ざしを
浴
(
あ
)
みに、縁近い南の端に黙然と疲れるまで坐っているのが、朝々の習慣のようだった。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“気丈”の意味
《名詞》
気がしっかりしているさま。
(出典:Wiktionary)
気
常用漢字
小1
部首:⽓
6画
丈
常用漢字
中学
部首:⼀
3画
“気丈”で始まる語句
気丈夫
気丈女
気丈者