死期しき)” の例文
其後そのご雲飛うんぴ壮健さうけんにして八十九歳にたつした。我が死期しききたれりと自分で葬儀さうぎ仕度したくなどをとゝの遺言ゆゐごんして石をくわんおさむることをめいじた。
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
永光寺の開山(名をきゝもらせり)血脉けちみやくをかのふちにしづめて化度けどし玉ひしゆゑ悪竜得脱とくだつなし、その礼とてかの墓石はかいしふちにいだして死期しきしめす。
かれいますでにその死期しきせまったのをって、イワン、デミトリチや、ミハイル、アウエリヤヌイチや、また多数おおくひと霊魂不死れいこんふししんじているのをおも
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
ブラック・キッドは、自分の死期しきが近づいてきたのを知ると、かねてさがしておいたこの島にやってきた。この島の入江の洞穴の中に船を入れるだけの広さがあることを知っていた。
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
あま昨今さくこんいまはしいことはれると死期しきちかよつたかと取越とりこ苦勞ぐらうをやつてな、大塚おほつかうちにはなにむかひにるものがるなどゝさわぎをやるにつけてはゝつまらぬ易者えきしやなどにでももらつたか
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
永光寺の開山(名をきゝもらせり)血脉けちみやくをかのふちにしづめて化度けどし玉ひしゆゑ悪竜得脱とくだつなし、その礼とてかの墓石はかいしふちにいだして死期しきしめす。
かれいますで其身そのみ死期しきせまつたのをつて、イワン、デミトリチや、ミハイル、アウエリヤヌヰチや、また多數おほくひと靈魂不死れいこんふししんじてゐるのをおもし、那樣事そんなことつたらばとかんがへたが
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
春木少年は、重傷の老人がこの上あんな声を出していたら、死期しきを早めるだろうと思った。だから早く老人のいうとおり、岩かげかどっかへかくれるのが、老人のためになると思って、立ち上った。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)