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暗雲
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やみくも
ふりがな文庫
“
暗雲
(
やみくも
)” の例文
……とこう考えては今日の記憶を繰返し、くり返しては又考え直しつつ、
暗雲
(
やみくも
)
に足を早めたり、
緩
(
ゆる
)
めたりして歩いて行った。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
聞いただけで、理由もわからず
暗雲
(
やみくも
)
に感動して出征するのを見て、男って野蛮人だなあと思って呆れかえっちゃった
兵士と女優
(新字新仮名)
/
渡辺温
、
オン・ワタナベ
(著)
色が白いとか恰好が何うだとか言ふて世間の人は
暗雲
(
やみくも
)
に褒めたてた
女
(
もの
)
で御座ります、私が如何にも
放蕩
(
のら
)
をつくして家へとては寄りつかぬやうに成つたを
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ただ
暗雲
(
やみくも
)
に決議ばかりしてしまったので、決議はしても今に誰かに持って行かれそうな気がして、どうも何だか奥歯に物の挟まったような工合であった。
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
男の姿に追ひ使はれた
筆
(
ペン
)
の先きには、自分の考へてゐる樣な美しい藝術の影なぞは少しも見られなかつた。唯男の處刑を恐れた
暗雲
(
やみくも
)
の力ばかりであつた。
木乃伊の口紅
(旧字旧仮名)
/
田村俊子
(著)
▼ もっと見る
成程、今度は至って無難だったが、橋口先生御指南の厳しさ、
暗雲
(
やみくも
)
に唸らせられたと見えて
好人物
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
馬車馬のように
暗雲
(
やみくも
)
にかせぐのはいいことなのであった。そして、資本主にとってもこの事はこの上もなくよいことであったのだ。そして、そのころは欧州戦争が行なわれていたのだ。
海に生くる人々
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
と
漸
(
ようよ
)
うお若を
宥
(
なだ
)
めましたんで、ホッと一息つき、それでは手に手をとって駈落と相談は付けたものゝ、たゞ
暗雲
(
やみくも
)
に
東京
(
こちら
)
をつッ走ったとて
何処
(
どこ
)
へ
落著
(
おちつ
)
こうという
目的
(
めど
)
がなくてはなりません
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
お
別
(
わか
)
れといたしまして、
其處
(
そこ
)
らの
茶店
(
ちやみせ
)
をあけさせて、
茶碗酒
(
ちやわんざけ
)
をぎうとあふり、
其
(
そ
)
の
勢
(
いきほひ
)
で、
暗雲
(
やみくも
)
に、とんぼを
切
(
き
)
つて
轉
(
ころ
)
げるまでも、
今日
(
けふ
)
の
内
(
うち
)
に
麓
(
ふもと
)
まで
歸
(
かへ
)
ります、とこれから
雪
(
ゆき
)
の
伏家
(
ふせや
)
を
叩
(
たゝ
)
くと
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
事務室の中に、丸茂三郎がたった一人残って居ることを確かめると、其の儘エレベーターで下へ降りるなり、円タクに飛び乗って、
暗雲
(
やみくも
)
に、香川礼子のアパートへ駆け付けてしまったものです。
新奇談クラブ:04 第四夜 恋の不在証明
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
暗雲
(
やみくも
)
にヒッパクした故郷からの手紙だ。
清貧の書
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
してお
内儀
(
かみ
)
さんはと阿関の問へば、御存じで御座りましよ筋向ふの杉田やが娘、色が白いとか
恰好
(
かつかう
)
がどうだとか言ふて世間の人は
暗雲
(
やみくも
)
に褒めたてた
女
(
もの
)
で御座ります
十三夜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
暗雲
(
やみくも
)
に奥へ奥へと逃げ込んで、農家の水
汲
(
く
)
みをして昼の
麺麭
(
パン
)
を恵まれたり、麦畑の除草を手伝って晩飯にありついたり、正規の入国手続きを踏んでいないのですから
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
してお
内儀
(
かみ
)
さんはと
阿關
(
おせき
)
の
問
(
と
)
へば、
御存
(
ごぞん
)
じで
御座
(
ござ
)
りましよ
筋向
(
すぢむか
)
ふの
杉田
(
すぎた
)
やが
娘
(
むすめ
)
、
色
(
いろ
)
が
白
(
しろ
)
いとか
恰好
(
かつかう
)
が
何
(
ど
)
うだとか
言
(
い
)
ふて
世間
(
せけん
)
の
人
(
ひと
)
は
暗雲
(
やみくも
)
に
褒
(
ほ
)
めたてた
女
(
もの
)
で
御座
(
ござ
)
ります
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
もしも何かの間違いということがあって昨夜
逢
(
あ
)
ったのがほんものの
姉妹
(
きょうだい
)
で、もし今日私を迎えに出て来てくれた場合、いきなり
暗雲
(
やみくも
)
に切ってかかられてはなりませんから
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
“暗雲”の意味
《名詞》
暗 雲(あんうん)
今にも雨や雪の降ってきそうな黒い雲。
何か悪い事の起こりそうな気配。
(出典:Wiktionary)
暗
常用漢字
小3
部首:⽇
13画
雲
常用漢字
小2
部首:⾬
12画
“暗”で始まる語句
暗
暗闇
暗澹
暗夜
暗誦
暗黒
暗示
暗礁
暗々裡
暗中