是々これ/\)” の例文
わたくしの病気は実は是々これ/\といいましたが、其の事は乳母おんばにも云われないくらいな訳ですが、其処そこが親馬鹿のたとえの通り、おさげすみ下さるな
いだし夫より南町奉行大岡殿の役宅やくたくうつたへ出私し儀は元雲切仁左衞門と申是々これ/\の惡事ありと白状はくじやうに及びたり依て大岡殿かれが勇氣を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
次の講義の時間に与次郎に逢つて是々これ/\だと話すと、与次郎は馬鹿だと云はない許に三四郎を眺めて
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
それから金物屋かなものやさんで、名前はへないが、是々これ/\炭屋すみやりましたかと聞くと、成程なるほど塩原多助しほばらたすけといふ炭屋すみやがあつたさうだが、それは余程よほど古いことだといふ。
塩原多助旅日記 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
見しがたしかに三五郎奴成らんと三人ひとしく此方の土手どてかけよりて見れば二三町へだてて西の村をさし迯行にげゆく者あり掃部は彌々彼奴あいつに相違無し是々これ/\藤兵衞飛脚ひきやくを立てうちへ此ことを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
宗助そうすけ主人しゆじんまへすわつて、この屏風びやうぶくわんする一切いつさいこと自白じはくしやうか、しまいかと思案しあんしたが、ふとけるのも一興いつきようだらうと心付こゝろづいて、とう/\じつ是々これ/\だと、今迄いままで顛末てんまつくはしくはなした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
大方あれは野合くッつきあって逃げた者であろう、寺男は何でも坊主で、女は何歳いくつぐらい、是々これ/\是々と云うことが、ぷいとお繼の耳に這入ったから、さてはとぐに川口へ来て尋ねると
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
なす事も兩人の娘へ懺悔也ざんげなりと今の前に見る如く云々しか/″\是々これ/\斯樣ぞとお安が苦痛の死をなしたる其有樣を申立長庵に向ひ此通りだ未練みれんらしくとぼけずと立派りつぱ白状はくじやうしねへかと三次がはなし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
病の様子が判然はっきりと解りませんでしたが、よう/\ナ昨晩当人がわたくしの病は実は是々これ/\の訳だと申しましたから、なぜ早く云わん、けしからん奴だ、不孝ものであると小言は申しましたが
もう紅梅が勤めて居りましてみんな是々これ/\だと打明けて話しました、店の若い者や何かにみんな頼んでありますから、網を張って待って居た処へ、あの侍が来たというので一時いちどきに取押えましたから
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
此仏このほとけ是々これ/\もちかねを一緒につて死んだのでげすから、ともまうされませんが、戒名かいみやうを見ると「安妄養空信士あんもうやうくうしんじ」といたして置かれたのには金兵衛きんべゑおどろきました。金「成程なるほどこれ面白おもしろうがすな。 ...
黄金餅 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)