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旦那衆
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だんなしゅう
ふりがな文庫
“
旦那衆
(
だんなしゅう
)” の例文
数多
(
たくさん
)
抱えている
婢
(
じょちゅう
)
達は、それぞれ
旦那衆
(
だんなしゅう
)
のお
供
(
とも
)
をして屋根船に乗り込んで、
隅田
(
すみだ
)
の花見に往っているので家の中はひっそりしていた。
鼓の音
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「私はあの太郎さんを
旦那衆
(
だんなしゅう
)
にするつもりはありません。
要
(
い
)
るだけの道具はあてがう、あとは自分で働け——そのつもりです。」
嵐
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
その
頃
(
ころ
)
は
自転車
(
じてんしゃ
)
が
日本
(
にっぽん
)
にはいって
来
(
き
)
たばかりのじぶんで、
自転車
(
じてんしゃ
)
を
持
(
も
)
っている
人
(
ひと
)
は、
田舎
(
いなか
)
では
旦那衆
(
だんなしゅう
)
にきまっていました。
牛をつないだ椿の木
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
芸妓屋
(
げいしゃや
)
が六七軒に、旅館以外の
料亭
(
りょうてい
)
と四五軒の待合がお出先で、
在方
(
ざいかた
)
の
旦那衆
(
だんなしゅう
)
に土地の銀行家、病院の医員、商人、官庁筋の人たちが客であった。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
あの「
御料人様
(
ごりょうにんさん
)
」と云う言葉にふさわしい
上方風
(
かみがたふう
)
な
嫁
(
よめ
)
でも
迎
(
むか
)
えて、彼もいよいよ島の内の
旦那衆
(
だんなしゅう
)
になり切ることだろうと、想像していた次第であった。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
▼ もっと見る
どうぞ、それには及びませぬ。はじめての御当地、お店前から乗ものに乗るなぞとは、
旦那衆
(
だんなしゅう
)
と御一緒なら、
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
、
勿体
(
もったい
)
ない。実のところついそこに、迎えのかごを
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
披露
(
ひろう
)
の宴会は「山口屋」の大広間を使い、招待された客は町長はじめ二十余人、みな
旦那衆
(
だんなしゅう
)
と呼ばれる人ばかりで、お引き物の折詰には
眼
(
め
)
の下尺二寸の
鯛
(
たい
)
が入っていたという。
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
徳島県ではツメコと謂い、北九州ではテグリまたはテグリジバン、またヘウヘウソデという村もあって、働かない
旦那衆
(
だんなしゅう
)
を
羽織組
(
はおりぐみ
)
というに対して、多数の働く人々をヘウヘウ組などとも謂っている。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「ミイさんとこは金もちじゃし、富士子さんとこはおまえ、なんというたって
庄屋
(
しょうや
)
じゃもん。あんな
旦那衆
(
だんなしゅう
)
のまねはできん。じゃがな、もしもコトやんが行くんなら、小ツもやってやる。一ぺんコトやんと相談してこい」
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
旦那衆
(
だんなしゅう
)
の
坊
(
ぼ
)
っちゃんが、
下男
(
げなん
)
について
野
(
の
)
あそびに
来
(
き
)
て、
下男
(
げなん
)
にせがんで
仔牛
(
こうし
)
を
持
(
も
)
たせてもらったのかも
知
(
し
)
れません。
花のき村と盗人たち
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
旧
(
ふる
)
い小泉を相続したこの一番
年長
(
うえ
)
の兄が、暗い悲酸な月日を送ったのも、久しいものだ。彼が境涯の変り果てたことは、同じ地方の親しい「
旦那衆
(
だんなしゅう
)
」を見ても知れる。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
しかし製品は体裁よりも丈夫一方で、この
界隈
(
かいわい
)
の工場から、小松川、市川あたりへかけての
旦那衆
(
だんなしゅう
)
には、
親爺
(
おやじ
)
の靴に限るという向きもあって、
註文
(
ちゅうもん
)
は多いのであった。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
浦粕第一の
旦那衆
(
だんなしゅう
)
である高品さんから、私はそれまでの事情を聞いていた。というのが、ゆい子のあとを早く貰うために、五郎さんの父親が高品さんの本家を訪ねて、詳しい
仔細
(
しさい
)
を語ったからである。
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
河の氷がようやく崩れはじめ、大洋の果てに薄紫の
濛靄
(
もや
)
が
煙
(
けぶ
)
るころ、銀子はよその家の
妓
(
こ
)
三四人と、
廻船問屋
(
かいせんどんや
)
筋の
旦那衆
(
だんなしゅう
)
につれられて、
塩釜
(
しおがま
)
へ
参詣
(
さんけい
)
したことがあった。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
幼い時の記憶は遠く郷里の山村の方へ彼を連れて行って見せた。広い玄関がある。田舎風の
炉辺
(
ろばた
)
がある。民助兄の居る
寛
(
くつろ
)
ぎの
間
(
ま
)
がある。村の
旦那衆
(
だんなしゅう
)
はよくそこへ話し込みに来ている。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
旦
常用漢字
中学
部首:⽇
5画
那
常用漢字
中学
部首:⾢
7画
衆
常用漢字
小6
部首:⾎
12画
“旦那”で始まる語句
旦那
旦那様
旦那樣
旦那寺
旦那方
旦那等
旦那取
旦那座
旦那殿
旦那芸