“濛靄”の読み方と例文
読み方割合
もや100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
日々に接しているお増夫婦のほしいままな生活すらが、美しい濛靄もやか何ぞのような雰囲気ふんいきのなかに、お今の心をひたしはじめるのであった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
この北の海にも春らしい紫色の濛靄もやが沖に立ちこめ、日和山の桜のこずえにもつぼみらしいものが芽を吹き、頂上に登ると草餅くさもちを売る茶店もあって
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
濛靄もやのかかったような銀子の目には、誰の顔もはっきりとは見えず、全身薔薇ばらの花だらけの梅村医師の顔だけが大写しに写し出されていた。
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)