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斑鳩
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いかるが
ふりがな文庫
“
斑鳩
(
いかるが
)” の例文
私は何のために古典の地をうろつき
廻
(
まわ
)
っているのか。秋晴れの
斑鳩
(
いかるが
)
の里を歩みながら、ふと私はかような疑念にとらえられるのである。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
十三日早朝発す。
斑鳩
(
いかるが
)
に到て休。
斑鳩
(
はんきう
)
寺あり不尋。三里半正条。半里片島駅。藤城屋六兵衛の家に休。日正午也。鶴亀村をすぎ宇根川を
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
それから
夢殿
(
ゆめどの
)
の門のまえにある、あの虚子の「
斑鳩
(
いかるが
)
物語」に出てくる、古い、なつかしい宿屋に上がって、そこで半日ほど小説を考えてくるつもりだ。
大和路・信濃路
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
あくまで
豪毅
(
ごうき
)
、あくまで沈着、さながら
春光影裡
(
しゅんこうえいり
)
に
斑鳩
(
いかるが
)
の里を
逍遥
(
しょうよう
)
し給う聖徳太子の
俤
(
おもかげ
)
が
偲
(
しの
)
ばれんばかりであった。
メフィスト
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
自身の
床几
(
しょうぎ
)
は、はるか
斑鳩
(
いかるが
)
あたりまで進めながらなお、むだな兵力を加古川におかないわけにゆかなかったのだ。
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
摂津に生れ僧籍にあったが、
還俗
(
げんぞく
)
して大和
斑鳩
(
いかるが
)
に住み、国学を論じ勤王論を唱えて、気をはいていた。
新潮記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
それから
斑鳩
(
いかるが
)
の御寺にはじめて詣り、同じ車で室の津まで出てみたら、ちょうど明神様の本祭の午後で、
白粉
(
おしろい
)
をつけて眉墨を描いた女の子たちが、親や姉につれられて
故郷七十年
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
太子
(
たいし
)
のお
住
(
す
)
まいになっていたお
宮
(
みや
)
は
大和
(
やまと
)
の
斑鳩
(
いかるが
)
といって、
今
(
いま
)
の
法隆寺
(
ほうりゅうじ
)
のある
所
(
ところ
)
にありましたが、そこの
母屋
(
おもや
)
のわきに、
太子
(
たいし
)
は
夢殿
(
ゆめどの
)
という
小
(
ちい
)
さいお
堂
(
どう
)
をおこしらえになりました。
夢殿
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
途中
斑鳩
(
いかるが
)
の駅というを過ぎた時、聖徳太子の由緒の寺があって、参りはせなかったが、かつて見た書物に、『斑鳩やとみの小川の絶えばこそ我が大君の御名は忘れじ』と歌を詠した
乞丐
(
きっかい
)
が
鳴雪自叙伝
(新字新仮名)
/
内藤鳴雪
(著)
夜の
神酒
(
みき
)
に我酔ひけらし
斑鳩
(
いかるが
)
やほろこほろことまねて寝にける
風隠集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
あまたゝび來むと我はもふ
斑鳩
(
いかるが
)
の苗なる梨のなりもならずも
長塚節歌集:1 上
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
斑鳩
(
いかるが
)
へ。
平群
(
へぐり
)
のおほ
野
(
の
)
、
高草
(
たかくさ
)
の
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
斑鳩
(
いかるが
)
のこゑは塔に。
希臘十字
(新字旧仮名)
/
高祖保
(著)
斑鳩
(
いかるが
)
の陣太鼓
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
法隆寺に群る
参詣人
(
さんけいにん
)
たちも、中宮寺を過ぎると全く途絶えて、ここばかりは
斑鳩
(
いかるが
)
の址にふさわしくひっそりと静まりかえっている。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
その間には、播磨の
斑鳩
(
いかるが
)
から急進してきた
義詮
(
よしあきら
)
の軍も尊氏をたすけ、
佐殿方
(
すけどのがた
)
は木ッ端みじんに破れてしまった。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
が、もう小説を考えるような気分にもなれず、日の暮れるまで、ぼんやりと
斑鳩
(
いかるが
)
の里をぶらついていた。
大和路・信濃路
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
歌
(
うた
)
の中にある「
斑鳩
(
いかるが
)
」だの、「
富
(
とみ
)
の
小川
(
おがわ
)
」だのというのは、いずれも
太子
(
たいし
)
のお
住
(
す
)
まいになっていた
大和
(
やまと
)
の
国
(
くに
)
の
奈良
(
なら
)
に
近
(
ちか
)
い
所
(
ところ
)
の
名
(
な
)
で、その
富
(
とみ
)
の
小川
(
おがわ
)
の
流
(
なが
)
れの
絶
(
た
)
えてしまうことはあろうとも
夢殿
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
いづこにか
薄日
(
うすひ
)
さし、きしりこきり
斑鳩
(
いかるが
)
なげく
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
斑鳩
(
いかるが
)
へ。
平群
(
へぐり
)
のおほ野高草の
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
大和
(
やまと
)
への旅、わけても法隆寺から夢殿、中宮寺
界隈
(
かいわい
)
へかけての
斑鳩
(
いかるが
)
の里の遍歴が、いつしか私の心に飛鳥びとへの思慕をよび起したのである。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
また「あっ」とその
不知火
(
しらぬい
)
のごとき兵船の数に驚き——一気に
斑鳩
(
いかるが
)
まで駈けとおして来て、兄の義貞へ
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
斑鳩
(
いかるが
)
や
夢殿
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
当地の
斑鳩
(
いかるが
)
嶽に山荘を構えている雨龍太郎と申す奴、多くの浮浪人を狩り集めて、悪業至らざるなき風聞でござるが、とても代官などには取締りもつかず、主人兵部少輔と苦心の上
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いずれにしろ、義貞は、三月すえには、播州加古川に本陣をすえ、すすんでは、
斑鳩
(
いかるが
)
へ前線司令部をおいた。そしてまず序戦、赤松円心
則村
(
のりむら
)
の居城、白旗城を一気に抜くつもりだったのだ。
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「——明日、道は今宿より西と南へ
岐
(
わか
)
れるが、南の山陽道をとって、
斑鳩
(
いかるが
)
を
経
(
へ
)
、船坂峠をこえ、やがて美作、伯耆、出雲へと越え出るぞ。そのつもりで、明朝も早立ちの用意抜かりなくいたしおけ」
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ここを下れば、もう
播州
(
ばんしゅう
)
の
龍野
(
たつの
)
から
斑鳩
(
いかるが
)
へもほど近い。
宮本武蔵:02 地の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
斑鳩
(
いかるが
)
ノ
宿
(
しゅく
)
」
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“斑鳩”の解説
斑鳩(いかるが)とは、奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺を中心とした地域。古くは鵤とも表記された。
(出典:Wikipedia)
斑
常用漢字
中学
部首:⽂
12画
鳩
漢検準1級
部首:⿃
13画
“斑鳩”で始まる語句
斑鳩宮
斑鳩嶽
斑鳩寺
斑鳩山
斑鳩物語