いくさ)” の例文
新字:
「わたしが丁度二十歳はたちの時だから、元治元年——京都では蛤御門はまぐりごもんいくさがあつた年のことだと思へ。」と、をぢさんは先づ冒頭まくらを置いた。
半七捕物帳:01 お文の魂 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
酒造さけつくりのほかに何の物音もしなかつた沖ノ端の街は急に色めき渡つて再びいくさのやうな「古問屋ふつどひや師走業しはすご」がはじまる。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
和尚をツさん、いくさがあると、わたへ等はどないになりますのや。」と、一番年上の手習ひ子は和尚さんに問うた。
石川五右衛門の生立 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
ベアトリーチェかく、また我は、そのすゝめに心すべて傾きゐたれば、再び身を弱きまなこいくさゆだねき 七六—七八
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
時は治承ぢしようの春、世は平家の盛、そも天喜てんぎ康平かうへい以來九十年の春秋はるあき、都もひなも打ち靡きし源氏の白旗しらはたも、保元ほうげん平治へいぢの二度のいくさを都の名殘に、脆くも武門の哀れを東海の隅に留めしより
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
かうべあるものこしかして、ぺた/\とつて瞪目たうもくしてこれれば、かしらなき將軍しやうぐんどう屹然きつぜんとして馬上ばじやうにあり。むねなかよりこゑはなつて、さけんでいはく、無念むねんなり、いくさあらず、てきのためにそこなはれぬ。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しきいくさふゆ
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
いくさに臨むますらをの
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
なほひといくさ
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
いくさがあつたら、もうお前ぐらゐの年のものは、軍役ぐんえきというて、兵粮運びなんぞに使はれるし、家にあるお米や麥は皆取り上げられ、家の納屋なやも燒かれる。」
石川五右衛門の生立 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
「そして、八田潟はつたがたふないくさをしたら、何方どつちつ?……」
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いくさのやうな酒つくりがはじまる
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
早やらずいくさも、彈丸たま
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
いくさ小止をやみ。
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)