廣間ひろま)” の例文
新字:広間
廣間ひろまのともしともつてゐたので、手摺てすりの上から見下したり、召使達が往つたり來たりするのを眺めたりすることは、彼女を喜ばせた。
彼の手記に依って想像すると、その部屋は相当の廣間ひろまであったらしく、彼が首を出していた穴は略〻ほゞ座敷の中央にあったように思われる。
舞台ぶたいはいふまでもなくさくらそのの女しゆ人ラアネフスカヤの邸宅ていたく廣間ひろまで、時ははる、その方の名家もやがて沒落ぼつらくといふかなしい運命うんめいの前にあるのだが
文壇球突物語 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
第一だいいちをんなどもが寄着よりつかない。おてうしが一二本いちにほん遠見とほみ傍示ばうじぐひのごと押立おつたつて、廣間ひろまはガランとしてごとし。まつになつた柳川やながはが、なるお羽織はおり……これが可笑をかしい。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
我等の居りし處は御館みたち廣間ひろまにあらずゆかあらく光乏しき天然の獄舍ひとやなりき 九七—九九
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
圓天井まるてんじやうした、閉ぢたる廣間ひろまの内、童貞どうていの刑に就くを眺むる如きもあり。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
だいぢゃう 同處どうしょ。カピューレットてい廣間ひろま
そしてクリスマスですから、召使ひたちも幾人かの御婦人方が歌つたりいたりなさるのを聞きに廣間ひろまに入つてゆくのを許されてゐました。
が、四疊半よでふはんでも六疊ろくでふでも、琵琶棚びはだなつきの廣間ひろまでも、そこは仁體にんてい相應さうおうとして、これに調子てうしがついて、別嬪べつぴんこゑかうとすると、三味線さみせん損料そんれうだけでもおやすくない。しろ指環ゆびわぜいがかゝる。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
をすの羊は悲しげに廣間ひろまをさして入り來りぬ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
だいぢゃう 同處どうしょ。カピューレットてい廣間ひろま
廣間ひろまには爐をきたり。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)