廣野ひろの)” の例文
新字:広野
この魔性の廣野ひろの正中たゞなかにはいと大いなるいと深き一のあなありて口をひらけり、その構造なりたちをばわれその處にいたりていはむ 四—六
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
若草わかくさながら廣野ひろの一面いちめん渺茫べうばうとしてはてしなく、かすみけてしろ/″\と天中そらつきはさしのぼつたが、葉末はずゑかるゝわればかり、きつね提灯ちやうちんえないで
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
春の野に迷ひ出でたはつい昨日きのふ旭日あさひにうつる菜の花に、うかるゝともなく迷ふともなく、廣野ひろのまく今日けふまでは。思へば今日けふまではあやしく過ぎにけり。
北村透谷詩集 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
ひとこゑは、ひとこゑかんがへはかんがへと別々べつ/\りて、さら何事なにごとにものまぎれるものなく、人立ひとだちおびたゞしき夫婦めをとあらそひの軒先のきさきなどをぐるとも、たゞれのみは廣野ひろのはら冬枯ふゆがれをくやうに
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
緑なるつきせぬ廣野ひろの
草わかば (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
西にしかた廣野ひろのらん
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
思へば水の流れもまた雨と枕に傳へて詫し夜はおそく明けぬ今日は輕井澤より越後直江津まで通る信越鐵道とかいふ鐵道に乘り追分驛の先小田井をだゐといふまで至らんと朝立出れば此ほとりは淺間の麓の廣野ひろのにて停車塲まで行く間灰の如き土にて草も短かし四方よもの山々に雉子きじ鶯の聲野には雲雀ひばり所得顏ところえがほなる耳も目も榮耀を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
いひ終れる時黒暗くらやみ廣野ひろのはげしくゆらげり、げにそのおそろしさを思ひいづればいまなほわが身汗にひたる 一三〇—一三二
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
廣野ひろのなかにわれひとり;
北村透谷詩集 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
かくいひて身をめぐらし、あたかも緑の衣をえんとてヴェロナの廣野ひろのを走るものゝ如く、またその中にても 一二一—一二三
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
子よ、わが歩履あゆみに從へ、この廣野ひろのこゝより垂れてその低きはしにおよべばいざ我等うしろにむかはむ。 一一二—一一四
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
汝知るべし、この聖なる廣野ひろのには一切の種滿ち、かの世に摘むをえざるのあることを 一一八—一二〇
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
彼等忽ち馳せ、廣野ひろのをわけて散り、理性にうながされて我等の登る山にむかへるも 一—三
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)