座敷牢ざしきらう)” の例文
與へ干殺ほしころさんとこそたくみけれされ無慚むざんなるかな藤五郎は其身不行跡ふぎやうせきとは云ながらわづか三でふ座敷牢ざしきらう押籠おしこめられ炎暑えんしよの甚はだしきをもしのぎかね些々さゝたる庇間ひあはひの風を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
座敷牢ざしきらうのやうに暗く、空家のやうに荒れてゐた。道具といつては、火鉢代りであらう、つるの取れた古鍋に灰を盛つたものが一つ置いてあるきりであつた。勿論、それには火は入つてゐなかつた。
天国の記録 (旧字旧仮名) / 下村千秋(著)
そのまゝ座敷牢ざしきらうえん障子しやうじ開閉あけたてにも乳母うば見張みはりのはなれずしてや勘藏かんざう注意ちゆうい周到しうたうつばさあらばらぬこととりならぬ何方いづくぬけでんすきもなしあはれ刄物はものひとれたやところかはれどおなみちおくれはせじのむすめ目色めいろてとる運平うんぺい氣遣きづかはしさ錦野にしきのとの縁談えんだんいまいまはこびしなかこのことられなばみな畫餠ぐわべいなるべしつゝまるゝだけは
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
情なき事に思ひ或時は放蕩はうたう擧動ふるまひ等御座候故是又其儘に打捨難うちすてがたいさめつなだめつ致し候中不※ふと藤五郎不行跡ふぎやうせきのこと御座りしを主税之助は幸ひに亂心と申たて座敷牢ざしきらう押込おしこめ我が實子じつしすけ五郎を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
差加へ病氣中は座敷牢ざしきらうへなりとも入置が宜からんと申されければ佐十郎ハツと平伏へいふくなし段々御懇情こんせいの御言葉有難くかしこまり奉つる主人も定めて忝けなく存候はん早速まかかへり御示の如く屹度きつと相守らせ申べく候と涙を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)