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小草
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おぐさ
ふりがな文庫
“
小草
(
おぐさ
)” の例文
小草
(
おぐさ
)
が
数本
(
すほん
)
に、その一本を伝わって
倒
(
さかしま
)
に
這降
(
はいお
)
りる蟻に、去年の
枯草
(
かれぐさ
)
のこれが
筐
(
かたみ
)
とも見える
芥
(
あくた
)
一摘
(
ひとつま
)
みほど——これが其時の眼中の小天地さ。
四日間
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
小さい
畚
(
ふご
)
にそれを入れて、川柳の細い枝を折取って
跳出
(
はねだ
)
さぬように押え蔽った少年は、その手を
小草
(
おぐさ
)
でふきながら予の方を見て
蘆声
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
が、
凝
(
じっ
)
と
瞻
(
みつ
)
めて立つと、
衣
(
きぬ
)
の模様の白い花、撫子の
俤
(
おもかげ
)
も、一目の時より際立って、
伏隠
(
ふしかく
)
れた
膚
(
はだ
)
の色の、
小草
(
おぐさ
)
に
搦
(
から
)
んで乱れた有様。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
小草
(
おぐさ
)
の二三寸延びた蔭または
蚊帳草
(
かやつりぐさ
)
の間などから、たおやめの書いた仮名文字ののしという
恰好
(
かっこう
)
で
初恋
(新字新仮名)
/
矢崎嵯峨の舎
(著)
こうして
響
(
ひび
)
き高い詩句や、あるいは
夕暮
(
ゆうぐ
)
れの美しい
眺
(
なが
)
めによって、あるいは涙が、あるいは
哀愁
(
あいしゅう
)
がそそられるにしても、その涙や哀愁のすきから、さながら春の
小草
(
おぐさ
)
のように
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
▼ もっと見る
実をつけてかなしき
程
(
ほど
)
の
小草
(
おぐさ
)
かな
五百五十句
(新字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
やがて
風説
(
うわさ
)
も
遠退
(
とおの
)
いて、若菜家は格子先のその空地に生える
小草
(
おぐさ
)
に名をのみ
留
(
とど
)
めたが、二階づくりの意気に出来て、ただの
住居
(
すまい
)
には割に手広い。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
で、やがて娘は
路
(
みち
)
——路といっても人の足の
踏
(
ふ
)
む分だけを残して両方からは
小草
(
おぐさ
)
が
埋
(
うず
)
めている
糸筋
(
いとすじ
)
ほどの路へ出て、その
狭
(
せま
)
い路を源三と
一緒
(
いっしょ
)
に仲好く肩を
駢
(
なら
)
べて去った。
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
小草
(
おぐさ
)
の上を柔らかに撫でて往く春風のごとく、聞ゆるものを,その優しい姿が前に坐ッて、その美しい目が自分を見て、そして自分を慰めているものを,ああ何として泣かれよう。
初恋
(新字新仮名)
/
矢崎嵯峨の舎
(著)
好
(
よ
)
し一つ頭を
捻向
(
ねじむ
)
けて
四下
(
そこら
)
の
光景
(
ようす
)
を視てやろう。それには丁度
先刻
(
さっき
)
しがた眼を覚して例の
小草
(
おぐさ
)
を
倒
(
さかしま
)
に
這降
(
はいおり
)
る蟻を視た時、
起揚
(
おきあが
)
ろうとして
仰向
(
あおむけ
)
に
倒
(
こ
)
けて、
伏臥
(
うつぶし
)
にはならなかったから、勝手が
好
(
い
)
い。
四日間
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
露の玉
抱
(
いだ
)
き隠せる
小草
(
おぐさ
)
かな
七百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
密
(
そっ
)
と、下へ
屈
(
かが
)
むようにしてその御神燈を
眗
(
みまわ
)
すと、
他
(
ほか
)
に
小草
(
おぐさ
)
の影は無い、染次、と記した
一葉
(
ひとは
)
のみ。で、それさえ、もと居たらしい
芸妓
(
げいしゃ
)
の上へ
貼紙
(
はりがみ
)
をしたのに記してあった。
第二菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
浜砂に
儚
(
はかな
)
き夢の
小草
(
おぐさ
)
かな
五百五十句
(新字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
彼処
(
かしこ
)
に、尾花が
十穂
(
とほ
)
ばかり、例のおなじような
兀
(
は
)
げた丘の腹に、
小草
(
おぐさ
)
もないのに、すっきりと一輪咲いて、丈も高く
莟
(
つぼみ
)
さえある……その竜胆を、島田髷のその振袖、
繻珍
(
しゅちん
)
の帯を矢の字にしたのが
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
小
常用漢字
小1
部首:⼩
3画
草
常用漢字
小1
部首:⾋
9画
“小”で始まる語句
小
小児
小径
小鳥
小僧
小言
小路
小遣
小刀
小父