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小突
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こづ
ふりがな文庫
“
小突
(
こづ
)” の例文
あんまりばかばかしいから、
小突
(
こづ
)
き廻してみたのであります。米友は、これらの連中の譜代の家来でもなければ臨時の雇人でもない。
大菩薩峠:11 駒井能登守の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
そして何かいわんとする光秀にその余裕を与えず、ずずずと
圧
(
お
)
して、廻廊の
欄干
(
らんかん
)
まで押し詰め、もがく頭を、ごつごつ欄干に
小突
(
こづ
)
いていた。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ヨシ、ごろつき
奴
(
め
)
、死ぬまでやってやる」私はこう怒鳴ると共に、今度は固めた拳骨で体ごと奴の鼻っ柱を下から上へ向って、
小突
(
こづ
)
き上げた。
淫売婦
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
草
(
くさ
)
の
中
(
なか
)
に
半身
(
はんしん
)
を
沒
(
ぼつ
)
して、
二人
(
ふたり
)
はいひ
爭
(
あらそ
)
つてゐた。
男
(
をとこ
)
は
激
(
はげ
)
しく
何
(
なに
)
かいひながら、
搖
(
ゆ
)
すぶるやうに
女
(
をんな
)
の
肩
(
かた
)
を
幾度
(
いくど
)
も
小突
(
こづ
)
いた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
仔羊たちが、ごくごく乳を吸っている間、おっ
母
(
か
)
さん連は、
脇腹
(
わきばら
)
を鼻の頭で激しく
小突
(
こづ
)
かれながら、安らかに、
素知
(
そし
)
らぬ顔で、口を動かしている。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
▼ もっと見る
胸倉を取って
小突
(
こづ
)
きまわされました。「もう出て行く」と紋切型を云われました。引っくり返って足をバタバタされました……かも知れませんでした。
奥様探偵術
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
かれは激しく罵りながら力まかせに
小突
(
こづ
)
きまわすと、四郎兵衛はからだを支えかねて、乗りかけた駕籠からころげ落ちた。それを見て駕籠屋もおどろいた。
恨みの蠑螺
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
お由は国太郎の胸を肩で
小突
(
こづ
)
いて、二人の時だけに見せる
淫蕩
(
いんとう
)
な笑いを顔一杯に浮べていた。その
濃艶
(
のうえん
)
な表情が、まだはっきりと国太郎の眼に残っているのに——
白蛇の死
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ジナイーダが、終りまで言い切らぬうちに、わたしは後ろから誰かに
小突
(
こづ
)
かれでもしたように、早くも下へ身をおどらしていた。塀の高さは三、四メートルほどあった。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
国民はかなり統制に従順な素質をもっていても、こう八方から
小突
(
こづ
)
かれては迷わざるを得ない。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「おい、若いの。
先刻
(
さっき
)
からいやに黙ってるじゃねえか。……
乙に澄ますねえ
(
フェ・パ・マラン・トア
)
、やい!」と、いきなり
扉
(
ドア
)
越しにコン吉の脇腹を
小突
(
こづ
)
いた。コン吉は
螽斯
(
ばった
)
のように飛びあがって
ノンシャラン道中記:02 合乗り乳母車 ――仏蘭西縦断の巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
思慮もなく、ただ無分別に、うろうろと、あこがれの瞳をよせる少女達に、
小突
(
こづ
)
きまわされて、かれは当惑した。その上、周囲の教師達の
猜疑
(
さいぎ
)
と嫉妬との狭量な
眼
(
まなこ
)
もいやだった。
貞操問答
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
肩をゆすりながらおこったようにとなりに坐っている同年配の女の脇を
小突
(
こづ
)
いた。
道標
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
出さうでゐて、出ない。氣がジリ/\する。すると何か
傍
(
わき
)
から
小突
(
こづ
)
くやうに
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
そういって、自分のすぐそばで
鉋屑
(
かんなくず
)
の中からえりだした木片を持って遊んでいる小さい高子を
小突
(
こづ
)
いた。思いがけなかったので高子は別に
怪我
(
けが
)
をしたわけでもないのにありったけのような声で泣いた。
暦
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
孫永才は、びくっと頭を起した弟に
小突
(
こづ
)
かれて顔をあげた。
雲南守備兵
(新字新仮名)
/
木村荘十
(著)
肩に足をかけて、ぐりぐりと
小突
(
こづ
)
くと、男は、けろりと見上げて、東儀与力と同じように、拷問道具へ腰を下ろした。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
二人とも、そこに突っ立ったまま、両手をポケットに入れ、
素知
(
そし
)
らぬ顔で、
踏段
(
ふみだん
)
のほうに気を
配
(
くば
)
っている。と、やがて、にんじんは、レミイを
肱
(
ひじ
)
で
小突
(
こづ
)
く。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
「いや、おのれが知っている筈じゃ。やい、婆め。おのれは藻をそそのかして江口の遊女に売ったであろうが……。まっすぐに言え」と、千枝松は掴んだ手に力をこめて強く
小突
(
こづ
)
いた。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
勝平は、鋭い眼で勝彦を
睨
(
にら
)
みながら、その肩の所を、グイと
小突
(
こづ
)
いた。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
水戸はドレゴの
脇腹
(
わきばら
)
を
小突
(
こづ
)
いた。
地球発狂事件
(新字新仮名)
/
海野十三
、
丘丘十郎
(著)
ルピック氏は、
真情流露
(
しんじょうりゅうろ
)
を逆に行く人物だから、
久々
(
ひさびさ
)
で彼の顔を見た
悦
(
よろこ
)
びを、
揶揄
(
やゆ
)
の形でしか表わさない。向こうへ往きがけに彼の耳を
弾
(
はじ
)
く。こっちへ来がけには、
肱
(
ひじ
)
で
小突
(
こづ
)
く。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
浮橋は
小突
(
こづ
)
いた。そうして、お前が言わなければ言わないでもいい、わたしが直かに主人に訊いてみると八橋は言った。そんなことを主人の耳に入れられては困ると、治六はあわててさえぎった。
籠釣瓶
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
と、目くばせして、
膝
(
ひざ
)
を
小突
(
こづ
)
いた手が、衝立の陰にちらと見えた。
夏虫行燈
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼女はお花の膝にしがみ付いたかと思うと、更にその
胸倉
(
むなぐら
)
をつかんで無暗に
小突
(
こづ
)
きまわした。相手が酔っているので、お花はどうすることも出来なかった。女中たちはおどろいて燭台を片寄せた。
両国の秋
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
お清の腕を掴んで又
小突
(
こづ
)
いた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
小
常用漢字
小1
部首:⼩
3画
突
常用漢字
中学
部首:⽳
8画
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