)” の例文
部落の戦いは翌朝よくちょうまで続いた。が、はついに衆の敵ではなかった。素戔嗚すさのおは味方の若者たちと共に、とうとう敵の手に生捉いけどられた。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
彼に私淑ししゅくする者は、彼のをもって北方の衆に敵し得たとか、南軍のひんをもって北軍のとみに当たった、ぼう戦場においては某将軍を破った
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
が、敵に、そんな影武者かげむしゃがあろうとは夢にも知らない六人だ。神尾喬之助とばかり思いこんでいる。六対一、衆よくを制す。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
は衆に敵せず——このことは、ご自身にも、深く憂いて、恟々きょうきょうと自信なく、如何にかはせんと、惑っている所でしょう。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それ故に後者は一個人としては弱いが、集まれば強くなる。一旦争端が開けるとは衆に勝つべからず。
永久平和の先決問題 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
良人おっとにわかれて後永くを守り、姑を養ひ、児を育て、誠実の心を以てよく人の恩義に報いたり。
礫川徜徉記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
おもえば女性の身のみずかはからず、年わかくして民権自由の声にきょうし、行途こうと蹉跌さてつ再三再四、ようやのち半生はんせいを家庭にたくするを得たりしかど、一家のはかりごといまだ成らざるに、身は早くとなりぬ。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
貧よりおこって百万の富を積み、を養いを慰め、大慈善の功績を挙げんか、休言いうをやめよ、基督教に世の快楽なしと、この希望この計画——ああ実に余は余の生涯の短きを歎ぜり、事業、事業
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
荒芽山あらめやま畔路はんろふたまたを成す 馬を駆て帰来かえりきたる日かたぶき易し 虫喞ちゆうしよく凄涼夜月に吟ず 蝶魂冷澹れいたん秋花を抱く 飄零ひようれい暫く寓す神仙の宅 禍乱早くさか夫婿ふせいの家 さいわひに舅姑きゆうこの晩節を存するあり 欣然を守つて生涯を
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
と衆。また、天嶮にっている守備の強味。——正攻法で勝てないことは、常識でも知れていることであった。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
由来、彼の頭脳は計数的であって、にわかに、をもって衆を破るが如き飛躍は、ひらめいて来なかった。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
秀吉の戦法は、常に、衆をもってを討つものであり、この点、信長とは大いにおもむきを異にする——と。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
およそに対する多数というものはてんじては強いが、局部的には、まぬがれ難い弱点を持っている。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
をもって、衆を破るには、兵法によるしかありません」と一策を献じた。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし、戦いはまた、絶対といっていい程、しゅうに勝てないものでもある。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)