土中どちゅう)” の例文
すると爆弾は土中どちゅうで爆発すると、中からA液が出て来て、それが地隙や土壌どじょう隙間すきまや通路などを通って、どんどん地中深く浸透してくるのさ。
土中どちゅうふかく、いしをまわりにんであるかんが、りだされたのは、ようやくはるの、かたむくころでありました。
うずめられた鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
すぐに伴藏は羊羹箱の古いのにの像を入れ、畑へ持出もちだ土中どちゅうへ深く埋めて、其の上へ目標めじるしの竹を立置たてお立帰たちかえり、さアこれから百両の金の来るのを待つばかり
掘出し物という言葉は元来がいまわしい言葉で、最初は土中どちゅう冢中ちょうちゅうなどから掘出した物ということに違いない。
骨董 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
落雷を、土中どちゅううずめて、自由の響きを束縛そくばくしたように、しぶって、いらって、いんこもって、おさえられて、岩にあたって、包まれて、激して、ね返されて、出端ではを失って、ごうとえている。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
脳髄のうずいや、視官しかん言語げんご自覚じかく天才てんさいなどは、ついにはみな土中どちゅうはいってしまって、やがて地殻ちかくとも冷却れいきゃくし、何百万年なんびゃくまんねんながあいだ地球ちきゅうと一しょ意味いみもなく、目的もくてきまわくようになるとなれば
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
地下戦車は、すさまじく土をはねとばしながら、すこしずつ、斜面しゃめん土中どちゅうにつきすすんでいった。
未来の地下戦車長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ひとたび土中どちゅうにうずもれた金塊きんかいは、かならず、いつかつちしたからひかりはなつときがあるように、利助りすけ作品さくひんが、また、芸術げいじゅつ愛好あいこうするひとたちからさわがれるときがきたのでした。
さかずきの輪廻 (新字新仮名) / 小川未明(著)
もっとも白翁堂と云う人相見の老爺おやじが少しはけどって新幡随院の和尚に話すと、和尚はとうよりさとっていて、盗んだ奴が土中どちゅうへ埋め隠してあると云ったそうだが、今日きょう初めて此の病人の話によれば
「それが分らないのよ。土中どちゅうに深く入っていて、中々掘りだせないんですって」
大空魔艦 (新字新仮名) / 海野十三(著)
原書は Buriedベリッド a lifeライフ という書名だそうで、酔った時はちと云いにくい外題でございますが、生きながら女を土中どちゅううずめ、生埋めに致しましたを土中から掘出しまする仏蘭西の話を