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喪服
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もふく
ふりがな文庫
“
喪服
(
もふく
)” の例文
が、より以上、衆目をそばだてしめたのは、壇下に接して、筑前守秀吉が、
喪服
(
もふく
)
した三法師を膝にのせ、けろと、とり澄ましていることだった。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
二人とも
縮緬
(
ちりめん
)
と絹の
喪服
(
もふく
)
を着てゐて、そのくすんだ黒つぽい服裝が、殊更に二人の美しい首と顏とを引立たしてゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
昔の藤布の中には紫の藤でなく、たとえば貴人の
喪服
(
もふく
)
にも用いられたという
藤衣
(
ふじごろも
)
などは、或いはまた別種の葛の繊維をもって織ったものだったかも知れない。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
何
(
なん
)
でもこの記事に従えば、
喪服
(
もふく
)
を着た常子はふだんよりも一層にこにこしていたそうである。ある
上役
(
うわやく
)
や同僚は
無駄
(
むだ
)
になった
香奠
(
こうでん
)
を会費に復活祝賀会を開いたそうである。
馬の脚
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
緑の上衣の若者を一寸ハムレットかと思うたら、そうではなくて、少し
傍見
(
わきみ
)
をして居た内に、黒い
喪服
(
もふく
)
のハムレットが出て来て、低い
腰掛
(
こしかけ
)
にかけて居た。余は
熟々
(
つくづく
)
とハムレットの顔を見た。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
ものの
色
(
いろ
)
もすべて
褪
(
あ
)
せて、
其
(
その
)
灰色
(
はひいろ
)
に
鼠
(
ねずみ
)
をさした
濕地
(
しつち
)
も、
草
(
くさ
)
も、
樹
(
き
)
も、一
部落
(
ぶらく
)
を
蔽包
(
おほひつゝ
)
むだ
夥多
(
おびたゞ
)
しい
材木
(
ざいもく
)
も、
材木
(
ざいもく
)
の
中
(
なか
)
を
見
(
み
)
え
透
(
す
)
く
溜池
(
ためいけ
)
の
水
(
みづ
)
の
色
(
いろ
)
も、
一切
(
いつさい
)
、
喪服
(
もふく
)
を
着
(
つ
)
けたやうで、
果敢
(
はか
)
なく
哀
(
あはれ
)
である。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
そういう人たちは
喪服
(
もふく
)
をつけていた。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
黒びらうどの青い
喪服
(
もふく
)
がよく似合ふ
幻燈:《幼な日の思ひ出のために》
(新字旧仮名)
/
森川義信
(著)
黒い
喪服
(
もふく
)
を身につけて
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
その列の先に見えた人は、
葛城
(
かつらぎ
)
の峰の雪よりも真白い
喪服
(
もふく
)
を着、白木の台に白い
覆布
(
おおい
)
をかけたのを捧げていた。
日本名婦伝:大楠公夫人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼は黒つぽい
喪服
(
もふく
)
を着てゐて、手にした帽子には黒い
縮緬
(
クレイヴ
)
のバンドが卷いてあつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
ものの色もすべて
褪
(
あ
)
せて、その灰色に
鼠
(
ねずみ
)
をさした湿地も、草も、樹も、一部落を
蔽包
(
おおいつつ
)
んだ
夥多
(
おびただ
)
しい材木も、材木の中を見え透く
溜池
(
ためいけ
)
の水の色も、
一切
(
いっさい
)
、
喪服
(
もふく
)
を
着
(
つ
)
けたようで、
果敢
(
はか
)
なく
哀
(
あわれ
)
である。
三尺角
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
黒い
喪服
(
もふく
)
を身につけて
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
そのさい泊中のおもなる頭目は、みな
喪服
(
もふく
)
をつけて居ならび、宋江は、聖手書生の
蕭譲
(
しょうじょう
)
に命じて書かせた“晁蓋の霊を
弔
(
とむら
)
う”の祭文を壇にむかって読んだ。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
四川
(
しせん
)
の奥地はすでに冬だった。蜀宮雲低く垂れて
涙恨
(
るいこん
)
をとざし、帝
劉禅
(
りゅうぜん
)
以下、文武百官、
喪服
(
もふく
)
して出迎えた。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
こう
一昨日
(
おととい
)
までの黒い
喪服
(
もふく
)
を脱ぎ捨てたような人々の変り方の中にあって、相かわらず、初めての評定の時から今日まで、どう眺めても変りの見えないのが内蔵助であった。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
なぜならば馬謖は無色の
素袍
(
ひたたれ
)
を着し、
白革
(
しろかわ
)
の胸当をつけ、いわゆる
喪服
(
もふく
)
していたからである。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一瞬の気まずい
黙
(
もだ
)
し合いのなかにチラと見ると、女は良家の内室らしい
白妙
(
しろたえ
)
の
喪服
(
もふく
)
がかえって似合わしく、
臙脂白粉気
(
べにおしろいけ
)
がなくてさえ、なんとも
婀娜
(
あだ
)
な
艶
(
なま
)
めきをその姿は描いている。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一日、
喪服
(
もふく
)
を着た者が、役所に来て、
慟哭
(
どうこく
)
しながら、願書と共に口でも訴えた。
人間山水図巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
徐氏はすぐ
喪服
(
もふく
)
をかぶって、亡夫の霊を祭り、嬀覧、戴員二つの首を供えて
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
汗をぬぐい、
喪服
(
もふく
)
にあらためて、諸将は
刻
(
とき
)
を待っていた。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“喪服”の解説
喪服(もふく)とは、葬儀や法事などに参加する際に着用する礼服。藤衣や喪衣(もぎぬ、もごろも)などとも呼ぶ。
(出典:Wikipedia)
喪
常用漢字
中学
部首:⼝
12画
服
常用漢字
小3
部首:⽉
8画
“喪”で始まる語句
喪
喪心
喪失
喪家
喪中
喪章
喪主
喪旗
喪屋
喪神