吹放ふきはな)” の例文
ふたつめのたうげ大良だいらからは、岨道そばみち一方いつぱううみ吹放ふきはなたれるのでゆきうすい。くるま敦賀つるがまで、やつつうじた。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
……三本木原ぼんぎはら真中まんなかへ、向風むかひかぜと、わだちかぜ吹放ふきはなされたときは、おきたゞよつたやうな心細こゝろぼそさ。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
火のなみ吹放ふきはなされて、西へ——西へ——毎日々々、百日と六日のあいだ、鳥の影一つ見えない大灘おおなだを漂うて、お米を二しょうに水一薄粥うすがゆで、二十人の一日の生命いのちつないだのも、はじめの内。
印度更紗 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
冬分ふゆぶん往々わう/\敦賀つるがからふねが、其處そこ金石かないはながら、端舟はしけ便べんがないために、五日いつか七日なぬかたゞよひつゝ、はて佐渡さどしま吹放ふきはなたれたり、思切おもひきつて、もとの敦賀つるが逆戻ぎやくもどりすることさへあつた。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あとの大勢おほぜいつたら、のあくるから、あめかぜなみ吹放ふきはなされて、西にしへ——西にしへ——毎日々々まいにち/\百日ひやくにち六日むいかあひだとりかげひとえない大灘おほなだたゞようて、おこめを二しようみづ薄粥うすがゆ
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)