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吹放
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ふきはな
二つめの
峠、
大良からは、
岨道の
一方が
海に
吹放たれるので
雪が
薄い。
俥は
敦賀まで、
漸と
通じた。
……三
本木原の
真中へ、
向風と、
轍の
風に
吹放された
時は、
沖へ
漂つたやうな
心細さ。
火の
浪に
吹放されて、西へ——西へ——毎日々々、百日と六日の
間、鳥の影一つ見えない
大灘を漂うて、お米を二
升に水一
斗の
薄粥で、二十人の一日の
生命を
繋いだのも、はじめの内。
冬分は
往々敦賀から
來た
船が、
其處に
金石を
見ながら、
端舟の
便がないために、
五日、
七日も
漾ひつゝ、
果は
佐渡ヶ
島へ
吹放たれたり、
思切つて、もとの
敦賀へ
逆戻りする
事さへあつた。
あとの
大勢つたら、
其のあくる
日から、
火の
雨、
火の
風、
火の
浪に
吹放されて、
西へ——
西へ——
毎日々々、
百日と
六日の
間、
鳥の
影一つ
見えない
大灘を
漂うて、お
米を二
升に
水一
斗の
薄粥で