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ふきはな
冬分は
往々敦賀から
來た
船が、
其處に
金石を
見ながら、
端舟の
便がないために、
五日、
七日も
漾ひつゝ、
果は
佐渡ヶ
島へ
吹放たれたり、
思切つて、もとの
敦賀へ
逆戻りする
事さへあつた。
あとの
大勢つたら、
其のあくる
日から、
火の
雨、
火の
風、
火の
浪に
吹放されて、
西へ——
西へ——
毎日々々、
百日と
六日の
間、
鳥の
影一つ
見えない
大灘を
漂うて、お
米を二
升に
水一
斗の
薄粥で