はき)” の例文
最後に婦人は口中より一本の釘をはき出して、これを彼二十一歳の男子と記したる紙片に推当おしあて、鉄槌をもて丁々ちょうちょうと打ちたりけり。
黒壁 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
菅神怍色はづるいろあり、たま/\柘榴さくろすゝむ、 菅神たべかけはきほのふをなし玉ひしといふ故事ふることは、元亨釈書げんかうしやくしよ妄説まうせつおこる。
夜の間に溜った執拗しつっこたんを、忙しく舌の先きを動かして、ペッ、ペッ、と痰壺へはき落し、プーンと立登って来るフォルマリンの匂いを嗅ぎながら注意深く吐落した一塊りの痰を観察すると
はきがくるとすぐ□□さんが見にきてくれるから嬉しくて……」
妹の死 (新字新仮名) / 中勘助(著)
置てもどりしにぞお花は早速さつそくせんじてのまするに其夜の明方頃になり友次郎は夥多敷おびたゞしくはきけるが夫より大いにねつさめすや/\とねむる樣子なるにぞお花は少しは安堵あんどせしに其翌日より友次郎の右の足に大きさ茶碗ちやわん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
爛々らんらんたる火焔かえんはきすっくたったる
鬼桃太郎 (新字新仮名) / 尾崎紅葉(著)
菅神怍色はづるいろあり、たま/\柘榴さくろすゝむ、 菅神たべかけはきほのふをなし玉ひしといふ故事ふることは、元亨釈書げんかうしやくしよ妄説まうせつおこる。
火※くわえんはきすつくたつ
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
そのまゝ御機おはたによりておらんとしけるに、倏急たちまち仰向あふむきたふおちはき絶入たえいりけり。
地中ちちゆうふかければかならず温気あたゝかなるきあり、あたゝかなるをはき、天にむかひ上騰のぼる事人の気息いきのごとく、昼夜ちうや片時かたときたゆる事なし。天も又気をはきて地にくだす、これ天地の呼吸こきふなり。人のでるいきひくいきとのごとし。