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叫声
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さけびごえ
ふりがな文庫
“
叫声
(
さけびごえ
)” の例文
旧字:
叫聲
源造の口から、思わず
頓狂
(
とんきょう
)
な
叫声
(
さけびごえ
)
がほとばしる。その男は三次ではなかった。服装は三次のものだが、中味が違っていたのだ。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「あっ」と捨松は仰天して、たじろぎながら
叫声
(
さけびごえ
)
を上げた。すると彼女は有るか無しかの、微妙な微笑を顔に浮かべたが
人間製造
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ルパンが最前
艇
(
ふね
)
の出るのを見送って内へ入る時驚かされた
叫声
(
さけびごえ
)
『助けてくれ……助けてくれ……殺されそうだ……』
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
我々は客車の窓に二つの首を見た、カラタール氏が下に、ゴメズが上に、しかし二人は
目前
(
めのまえ
)
に見たもののために、
叫声
(
さけびごえ
)
ももはや凍ってしまったようだ。
臨時急行列車の紛失
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
八方から、丁度熱に浮かされた
譫語
(
うわごと
)
のような、短い問や
叫声
(
さけびごえ
)
がする。誰やらが衝立のような物の所へ駆け附けた。
罪人
(新字新仮名)
/
ミハイル・ペトローヴィチ・アルチバシェッフ
(著)
▼ もっと見る
母と二人、
午飯
(
ひるはん
)
を済まして、一時も過ぎ、少しく待ちあぐんで、心疲れのして来た時、何とも云えぬ悲惨な
叫声
(
さけびごえ
)
。どっと一度に、大勢の人の
凱歌
(
がいか
)
を上げる声。
狐
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
彼は足音も立てず、天窓からセエラの部屋に
辷
(
すべ
)
りこみ、セエラに向き直って、印度流の
額手礼
(
サラアム
)
をしました。猿はラム・ダスを見ると小さな
叫声
(
さけびごえ
)
を揚げました。
小公女
(新字新仮名)
/
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット
(著)
頭から降りそそぐ雨を避ける場所がないので女は軽い
叫声
(
さけびごえ
)
をあげながら、男の力に
引擦
(
ひきず
)
られて行ったが、間もなく大きな漁船のかげにかくれて見えなくなった。
九月一日
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
お八代さんの
叫声
(
さけびごえ
)
を聞きつけた若い者が二三人起きて参りまして、若旦那を押えつけて、細引で縛ったそうで御座いますが、その時の若旦那の暴れ力というものは
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「あッ。」マハン少将が、おびえた
叫声
(
さけびごえ
)
をあげた時、魚雷の群は艦隊の後の方へつきこんで来た。
昭和遊撃隊
(新字新仮名)
/
平田晋策
(著)
彼の
嗄
(
しゃが
)
れた
叫声
(
さけびごえ
)
をききつけて一つの青い顔が書斎の戸口に現われた、シモン博士の光った眼鏡と心配気な眉毛が、博士はガロエイ卿の叫声をききつけた最初の人であった。
秘密の庭
(新字新仮名)
/
ギルバート・キース・チェスタートン
(著)
窓のところへよって、ふるえあがっていた艇員たちは、それを見て、一せいに
叫声
(
さけびごえ
)
をあげた。
太平洋魔城
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
而
(
しか
)
も
此方
(
こっち
)
は柔道を心得ているので、倒れながらに、敵の腕を
引担
(
ひっかつ
)
いで投げた。が、
生憎
(
あいにく
)
に穴の入口へ向って投げたので、彼は奇怪な
叫声
(
さけびごえ
)
を揚げながら、再び奥へ逃げ込んで
了
(
しま
)
った。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
馳違
(
はせちが
)
う人の
跫音
(
あしおと
)
、ものの
響
(
ひびき
)
、洪水の急を報ずる乱調の湿った太鼓、人の
叫声
(
さけびごえ
)
などがひとしきりひとしきり聞えるのを、奈落の底で聞くような思いをしながら、理学士は恐しい夢を見た。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「あれ‼ 兄さん‼」という文子の
叫声
(
さけびごえ
)
が闇のなかに、けたたましくおこった。
危し‼ 潜水艦の秘密
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
衝立
(
ついたて
)
の
蔭
(
かげ
)
で朝の化粧をしてゐた明子は、彼の
叫声
(
さけびごえ
)
に
愕
(
おどろ
)
いて飛び出して来た。白いシイツに血が鋭く鮮紅の
箭
(
や
)
を射てゐた。はじめ彼女は村瀬が何か鋭利な刃物で自殺をはかつたのだと信じた。
青いポアン
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
何でも家中に響くような
叫声
(
さけびごえ
)
がした。乃公は釣竿を投り出して物置に隠れた。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「犬殺しだい犬殺しだい!」という
叫声
(
さけびごえ
)
が其処此処から起る。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
反理性的の意志の
叫声
(
さけびごえ
)
になって聞え始めた。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「
昨夜
(
ゆうべ
)
なのさ。僕の
隙見
(
すきみ
)
の第五夜だ。丸くぼかした視野の中に、君の、その顔が、ヒョッコリ現われた時には、僕はもう少しで
叫声
(
さけびごえ
)
を立てる所だった」
猟奇の果
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
客の
総
(
すべて
)
が帰った後、耳飾を納めた箱を持って、自分の寝室へ這入ったそうで、それから二時間も経ったろうか、博士の寝室から血を吐くような断末魔の
叫声
(
さけびごえ
)
が聞えて来た。
木乃伊の耳飾
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
わけのわからぬ
叫声
(
さけびごえ
)
をあげて、手をふり上げたまま、後じさりながら目を白黒。それをみて
太平洋魔城
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
けたたましい
叫声
(
さけびごえ
)
と一しょに、海水がひびの入ったすき間から、どッと噴き出した。
昭和遊撃隊
(新字新仮名)
/
平田晋策
(著)
聞いている壮太は、驚きのあまり思わず
叫声
(
さけびごえ
)
をあげようとした。
骸骨島の大冒険
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
長持の中の物音や
叫声
(
さけびごえ
)
が聞えなかったという点も、広い建物のことで気づかなかったといえばそれまでなのだ。
お勢登場
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
前檣楼の下の
桁
(
ヤード
)
に、するすると信号旗があがった。下では当直の大きな
叫声
(
さけびごえ
)
!
浮かぶ飛行島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
奇怪な
叫声
(
さけびごえ
)
と共に凄じい
羽叩
(
はばた
)
きをする。
廃灯台の怪鳥
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「あッ。」と
叫声
(
さけびごえ
)
をあげた。
昭和遊撃隊
(新字新仮名)
/
平田晋策
(著)
と、悲鳴とも何ともつかぬ
叫声
(
さけびごえ
)
がして、お菊は恒川氏の胸に顔を埋めてしまった。彼女は再び怪物を見たのだ。
吸血鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「人殺しッ!」若紳士は意外な
叫声
(
さけびごえ
)
をあげた。
心臓盗難:烏啼天駆シリーズ・2
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
うっかり口を利けば、それが恐怖の
叫声
(
さけびごえ
)
になりはしないかという
虞
(
おそ
)
れの為に、黙っているのだと信じていた。
恐ろしき錯誤
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
司法主任はそれを確めて、憤激の
叫声
(
さけびごえ
)
を揚げた。胴体は井戸に、手足は叢に。アア何という着想であろう。人ではない鬼だ。イヤ、鬼よりも気味悪い悪魔の国の赤蠍だ。
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
突然、実に突然、老人が悲鳴に近い
叫声
(
さけびごえ
)
を立てたので、私は、
危
(
あやう
)
く眼鏡を取落す所であった。
押絵と旅する男
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
とその瞬間、俯伏ていた鶴子の身体が、電気にでも感じた様に、大きくビクッと波打ったかと思うと、「ギャッ」という様な身の毛もよだつ
叫声
(
さけびごえ
)
を発して、彼女はガバとはね起きた。
鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
三谷はやや薄気味悪く、それを開いたが、中の物を
暫
(
しばら
)
く眺めている内に、当の三谷よりも、横から
覗
(
のぞ
)
き込んでいた倭文子が、余りの恐ろしさに、一種異様の
叫声
(
さけびごえ
)
を立てて、その場を飛びしさった。
吸血鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
最初
叫声
(
さけびごえ
)
を聞きつけて現場に入った、近隣の五六人の人達が、充分認めていた、と云うのは、その朝彼等が初代の家に
這入
(
はい
)
ろうとして、戸を叩いた時、
已
(
すで
)
に読者にも分っている通り、表口も裏口も
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
と思っている所へ、洋館の方からけたたましい
叫声
(
さけびごえ
)
が聞えて来た。
何者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
妙子は、余りの怖さに、キャーッと絹を裂く様な、
叫声
(
さけびごえ
)
を立てた。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
文代の絹を裂く様な
叫声
(
さけびごえ
)
。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
叫
常用漢字
中学
部首:⼝
6画
声
常用漢字
小2
部首:⼠
7画
“叫”で始まる語句
叫
叫喚
叫聲
叫喊
叫破
叫絶
叫了一声
叫喚合唱
叫音
叫号