厳重げんじゅう)” の例文
旧字:嚴重
さだめし、きいきい声をたてていることと思うが、まどがみな厳重げんじゅうにふさがっているので、クーパーの耳には、なにも聞こえない。
海底大陸 (新字新仮名) / 海野十三(著)
かれらが洞にはいって、防備の厳重げんじゅうなのを見て、おどろきの色をあらわしたのを、慧眼けいがんなゴルドンと、富士男は見のがさなかった。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
うちにあるけれど、おとうさんが、子供こどもなんかの、るものではないと、厳重げんじゅうだなにしまってあるんだよ。」と、ともだちはこたえました。
天女とお化け (新字新仮名) / 小川未明(著)
それをとなえると、どんな厳重げんじゅうなとびらでも、ひとりでに、スーッと、開くというのですが、実際に、そんなことが、できるはずはありません。
電人M (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
此頃は其筋の取締も厳重げんじゅうになったが、彼が引越して来た当座は、まだ賭博とばくが流行して、寒い夜向うの雑木林に不思議の火を見ることもあった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
「とてもむずかしゅうございます。敵は小人数こにんずながら、小幡民部こばたみんぶという軍配ぐんばいのきくやつがいて、ありものがさぬほど厳重げんじゅうに見張っているところですから」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
チベットは厳重げんじゅうに鎖国主義を実行して居る国で、有力なる西洋人が沢山の金を費やし多くの光陰こういんを費やし種々の準備を調ととのえて行ってすらも今日失敗に帰して居る者が多い中に
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
すべて春松検校がその内弟子をぐうする様を真似厳重げんじゅうに師弟の礼をらせたかくして大人おとなたちの企図したごとくたわいのない「学校ごッこ」が続けられ春琴もそれにまぎれて孤独こどくを忘れていたのであるが
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
この隊には、五少年も加わっていたし、それからまた、女体の山形警部も、警官に取りまかれて厳重げんじゅうに保護されながら、ついてきていた。
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ぼくはどうかして海蛇うみへび毒手どくしゅからのがれようとたんをくだいた、が、かれらはなかなか厳重げんじゅう警戒けいかいして目をはなさない、時機を待つよりしかたがない
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
が、さてと口につばをわかせてみると、いけないことには、厳重げんじゅうさくをめぐらしてあって、いくら長い手をのばしてみても、とても、そこまではとどかない。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あちらにかくれ、こちらにかくれしていましたが、捜索そうさく厳重げんじゅうであったために、またらえられてしまいました。
おけらになった話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「いや、もう一つその前に、全国の空軍基地に対し、単座戦闘機たんざせんとうきにゴンゴラ将軍を搭乗とうじょうせしめざるよう厳重げんじゅう命令すべきである」
また、そとには、まえにもいったとおり、二つの洞門どうもんがあって、配下の野武士のぶしが五人ずつ交代こうたいで、篝火かがりびをたきながら夜どおし見はりをしている厳重げんじゅうさである。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その日から看視かんしは前にまして厳重げんじゅうくわえた、海蛇うみへびどもは急に元気おうせいになって足を早めた、湖の東岸をそって南へ南へと歩いた、だがいってもいっても人の住まいはおろか
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
そして乗組員たちは、艇から外へでることを許されず、もちろん他の地球人類とのゆききも許されず、厳重げんじゅうに捕虜の状態におかれてあった。
怪星ガン (新字新仮名) / 海野十三(著)
厳重げんじゅうな艇内捜索が始まった。樽のうしろや、器械台の下などを入念に調べたが別に怪しい密航者の影も見あたらなかった。
月世界探険記 (新字新仮名) / 海野十三(著)
編集長「もちろんだ。西太平洋に於ける惨敗の直後のことだから、警戒は一層厳重げんじゅうとなろう。外科の大家ヴィニー博士を帯同して行った方がいいな」
諜報中継局 (新字新仮名) / 海野十三(著)
人造人間をうごかすためには、強烈な電波を使うから、電波の侵入をふせぐこのような厳重げんじゅうな檻の中に入って試験をしなければならないのであった。
人造人間の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
テイラー博士「それは厳重げんじゅうに計算の結果、適量なるボロンを併用することにしてあるから、危険はないと思う」
諜報中継局 (新字新仮名) / 海野十三(著)
要するに、すこぶる厳重げんじゅうな、そして風変りの潜水服を着ている人間といった方が、早わかりがするであろう。
地球要塞 (新字新仮名) / 海野十三(著)
とにかく、そんなわけで、もぐれるだけもぐっていたが、モーターボートの追跡陣ついせきじんは、厳重げんじゅうだ。もう駄目かと思ったときに、空襲警報が鳴った。これが、天の助けだ。
英本土上陸戦の前夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
あるとき、少年たちは、博士が夜になってすべての扉に厳重げんじゅうに鍵をかけこんだのを知った。
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
だがそれほどの貴重きちょうなものを、わからなくしてしまうというのは、おかしいというので、工場は何回にもわたって厳重げんじゅう捜査そうさが行われた。だが、やっぱり見つからずじまいであった。
骸骨館 (新字新仮名) / 海野十三(著)
けっきょく、やっぱり大事をとって、これを怪魔の死体としてあつかうこととなり、たるに入れ、死体置場したいおきばの中へはこびこまれ、その夜は警官隊をつけて厳重げんじゅうな警戒をすることになった。
金属人間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そうです。われわれもだいたい、そういう見込で、ヘクザ館には厳重げんじゅう監視かんし
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
すると岩竹女史は、いつの間にか前と同じ形で椅子に厳重げんじゅうにしばりつけられて、ねむっていた。それをよびさまさせるために、ひげの会長は、また呪文じゅもんのようなことをいった。女史は大きな声で
ふしぎ国探検 (新字新仮名) / 海野十三(著)
厳重げんじゅうに取締っているのです。というわけは、あまりにそういう旅行者がこの国へ入りこんで、勝手なことばかりをして、荒しまわったものですから、それで厳禁げんきんということになってしまったのよ
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「だが蟒の呼吸いきぬけもないし、それに厳重げんじゅうじょうがかかっていますね」
爬虫館事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)