なん)” の例文
不意に陽がかげって頭の上へおおいをせられたような気がするので、なんふくっているろばから落ちないように注意しながら空を見た。
竇氏 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
そして云うまでもなくこの子供部の中に朝鮮の子供でもいたならば、私は強いてでも自分をなんと呼ぶように主張したであろうと自ら弁明もしていた。
光の中に (新字新仮名) / 金史良(著)
与吉はひとりで頷いたが、背向うしろむきになって、ひじを張って、なんの字の印が動く、半被の袖をぐッと引いて、手をって
三尺角 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「けんどお前は常時此處に居るんやし、お時さんは自分の家に居るんやさかい、どうしてもお前の方が憎まれる。……寢てるとこ咽喉笛にくらひ付かれたらなんまん陀佛だぶつや。」
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
てん六、なん三、ほく四、とう五、西せい二とも申しやす、まずこの六つの数を、丁と半との二種類に振分けること前文の通り、丁てえのは丁度ということで、ちょうど割りきれる数がとりも直さず丁
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
もう将軍となん将軍の二人でございます。」
織成 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
與吉よきちひとりうなづいたが、背向うしろむきになつて、ひぢつて、なんしるしうごく、半被はつぴそでをぐツといて、つて
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
なん先生でしょう?」そう云ったかと思うと彼は私の手に自分の脇にかかえていた上服を投げ附けて、嬉々としながら石段をひとり駆け下りて行くのだった。
光の中に (新字新仮名) / 金史良(著)
そう云えば私はこの協会の中では、いつの間にかみなみ先生で通っていた。私の苗字は御存じのようになんと読むべきであるが、いろいろな理由で日本名風に呼ばれていた。
光の中に (新字新仮名) / 金史良(著)
目鼻立めはなだちあいくるしい、つみ丸顏まるがほ五分刈ごぶがり向顱卷むかうはちまき三尺帶さんじやくおびまへむすんで、なんおほき染拔そめぬいた半被はつぴる、これは此處こゝ大家たいけ仕着しきせで、いてるくすのき持分もちぶん
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
目鼻立めはなだちの愛くるしい、罪の無い丸顔、五分刈ごぶがり向顱巻むこうはちまき三尺帯さんじゃくおびを前で結んで、なんの字をおお染抜そめぬいた半被はっぴを着て居る、これは此処ここ大家たいけ仕着しきせで、挽いてる樟もその持分もちぶん
三尺角 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)