南瓜とうなす)” の例文
斗満で食った土のものゝ内、甘藍、枝豆えだまめ玉蜀黍とうもろこし、馬鈴薯、南瓜とうなす蕎麦そば大根だいこきびもち、何れも中々味が好い。唯真桑瓜まくわうりは甘味が足らぬ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
嘉「軽いものと仰しゃっても今上げるものはごぜえません、南瓜とうなすがちっと残って居ますし、柿は未だ少し渋が切れないようですが、柿を」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
南瓜とうなすは黄に煮え砕けてべとべとになりましたが、奥様の好物、早速の御茶菓子代り、小皿に盛りまして、蕗味噌ふきみそと一緒に御部屋へ持って参りました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
第百一 南瓜とうなすプデン は一片の南瓜を湯煮て水を切って裏漉しにしてそれを前のカスターの中へ混ぜて焼きます。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
公園道のなかばから左に折れて、裏町の間を少し行くと、やがていっぽう麦畑いっぽう垣根かきねになって、夏はくれないと白の木槿もくげが咲いたり、胡瓜きゅうり南瓜とうなすったりした。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
麓では、二人の漁夫りょうしが、横に寝た大魚おおうおをそのまま棄てて、一人は麦藁帽むぎわらぼうを取忘れ、一人の向顱巻むこうはちまき南瓜とうなすかぶりとなって、棒ばかり、影もぼんやりして、うねに暗く沈んだのである。
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
日本では「かいうさぎ」、また外国から来た故南瓜とうなす南京ナンキンというごとく南京兎と称う。兎の一類はすこぶる多種でオーストラリアとマダガスカルを除き到る処産するが南米には少ない。
「やりじまいだぞ、二時には済まあ」セコンドメートは、未熟の南瓜とうなすのような気味の悪い顔を妙にゆがめて、そう言って、自分の室へ行ってしまう。そうするとその仕事はきっと五時には済む。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
細君は別に鶏と茄子なすの露、南瓜とうなすの煮付を馳走振ちそうぶりに勧めてくれた。いずれも大鍋おおなべにウンとあった。私達は各自めいめい手盛でやった。学生は握飯、パンなぞを取出す。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
譬えば南瓜とうなすを料理するにしても煮たり湯煮ゆでたりしたものと西洋料理風に蒸して裏漉うらごしにかけてパイにしたりプデンにしたりするのとは大層消化が違います。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
貢君は余等の毛布や、関翁から天幕へみやげ物の南瓜とうなす真桑瓜まくわうり玉蜀黍とうもろこし甘藍きゃべつなぞを駄馬だばに積み、其上に打乗って先発する。仔馬こうまがヒョコ/\ついて行く。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
年倍としばいなる兀頭はげあたまは、ひものついたおおき蝦蟇口がまぐち突込つッこんだ、布袋腹ほていばらに、ふどしのあからさまな前はだけで、土地で売る雪を切った氷を、手拭てぬぐいにくるんで南瓜とうなすかぶりに、あごを締めて、やっぱり洋傘こうもり
瓜の涙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
田圃たんぼごとに村があり、一村ごとに田圃が開けるというふうで、夏の日には家の前の広場で麦を打っている百姓家や、南瓜とうなすのみごとに熟している畑や、豪農の白壁しらかべの土蔵などが続いた。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
下手へた田舎芝居いなかしばい女形おやまを思わせる色の黒い、やせたヒョロヒョロの、南瓜とうなすのしなびた花のような、女郎上がりのおばさんだった。一口にいえば「サンマ」のおばさんだった。このおばさんはいた。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
最早早生わせ陸稲おかぼも蒔かねばならぬ。何かと云う内、胡瓜きゅうり南瓜とうなす甘藷さつま茄子なすも植えねばならぬ。ひえきびの秋作も蒔かねばならぬ。月の中旬には最早大麦おおむぎが色づきはじめる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
それをモー一層美味しくするのは南瓜とうなすを蒸すかあるいは湯煮ゆで裏漉うらごしにして好い加減と思うほど今の物へ混ぜて肉桂にっけいの粉を加えて蒸すのです。肉桂の粉は南瓜の味を出します。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
山家のならわしとして冬至には蕗味噌ふきみそ南瓜とうなすを祝います。幸い秋から残して置いた縮緬皺ちりめんじわのが有ましたから、それを流許ながしもとで用意しておりますと、花火の上る音がポンポン聞える。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
(……すぐ出掛けましょう、御婦人には芝居と南瓜とうなすが何よりの御馳走ごちそうだ。)
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
菓物くだもののパイは何でもこういうふう一旦いったん煮たものを入れてペースをかぶせて焼くのですし、南瓜とうなすやジャガ芋は一旦湯煮ゆでるか蒸すかして玉子と牛乳と砂糖で混ぜてペースをかけるのですし
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
エートこの一週間は南瓜とうなす冬瓜とうがんばかり食べていたがあんなものは脂肪がどういう割だろうと書物を出して分析表を調べると、オヤ南瓜は脂肪が百分中の一分三厘、冬瓜は零弐厘と出ている。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
南瓜とうなす 九〇・二四 〇・六五 〇・一三 六・〇八 二・一五 〇・七五
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
南瓜とうなすのプデン 秋 第二百八 蒸し料理
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)