わかつ)” の例文
然るに宋代には別に扁鵲へんじやく中蔵経と云ふものがあつて、後人がこれをかみに云ふ所の中蔵経に併せ、わかつて八巻となした。呉勉学ごべんがくの刻する所の中蔵経が即是である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
たま/\一熊いちゆうるとも其儕そのともがらあたひわかつゆゑ利得りとくうすし、さればとて雪中の熊は一人ひとりちからにては得事うることかたしとぞ。
西洋せいやうにては一晝夜いつちうやを二十四に分つゆゑ、の一日本につぽんきう半時はんじなり。其半時そのはんじを六十にわかつて、これを一分時ぶんじ(ミニウト)といふ。またこの一分時ぶんじを六十にわけて一「セカンド」とふ。
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
拍てオヽ然樣かわかつたりと云ながら店へ駈出かけいだしければ女共は彌々いよ/\わけが分らずたゞあきはててぞ居たりける是出しぬけの事ゆゑよもや弟長兵衞が年のくれ押迫おしつまつて來やうとは思はずもつとも是まで平常つね/″\逢度あひたくおもふ一心より九死一生の大病なりと手紙にうそ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
たま/\一熊いちゆうるとも其儕そのともがらあたひわかつゆゑ利得りとくうすし、さればとて雪中の熊は一人ひとりちからにては得事うることかたしとぞ。
温泉あり。綿の湯といふ。上中下かみなかしもわかつている。上の湯は清灑せいしやにして臭気なし。これを飲めば酸味あり。上の湯の流あまりをたむるを中といひ、又それにつぐを下といふ。轎夫けうふ駄児たじの類浴する故穢濁くわいだくなり。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
兄がいはく、光る石をひろしは我がくはだてなり、なんぢは我がちからたすけしのみなり、光る石は親のゆづりにあらず、兄が物なり。家財かざいわかつならばおやのゆづりをこそわかつべけれ、あたふまじ/\。
兄がいはく、光る石をひろしは我がくはだてなり、なんぢは我がちからたすけしのみなり、光る石は親のゆづりにあらず、兄が物なり。家財かざいわかつならばおやのゆづりをこそわかつべけれ、あたふまじ/\。