二葉ふたば)” の例文
それはこの二葉ふたばが成長するであろうか、花咲くであろうかとあやぶみおそれつつ育てた親や教師が多かったからではないだろうか。
最も楽しい事業 (新字新仮名) / 羽仁もと子(著)
在野政治家の勢力を二葉ふたばのうちに摘み取って、斧を用いてもなお且つ及ばざる危険に到ることを予防する目的であったのである。
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
折から葭籬よしがきのもとに、いつのこぼれ種子だねやら朝顔の二葉ふたば土を離れて、我がやどすてぬといへる発句の趣向をあらはす。
花のいろ/\ (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
爲す者其方の外には決して有可からず能せよかしと内命ないめいありしに忠相ぬしも推辭いなむすべなく遂に天一をして僞者にせものとし二葉ふたばの中につみたるなりとの事實に然るかいなや
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
おい木村さんしんさん寄つてお出よ、お寄りといつたら寄つても宜いではないか、又素通りで二葉ふたばやへ行く氣だらう、押かけて行つて引ずつて來るからさう思ひな
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
日本中の少年少女の人生観の中で、最も意義あり、力あり、光明ある部分は、こうして初めからよごされた。その向上心の大部分は二葉ふたばうちから病毒に感染させられた。
東京人の堕落時代 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
成程お勢はまだ若い、血気もいまだ定らない、志操もあるいは根強く有るまい。が、栴檀せんだん二葉ふたばからこうばしく、じゃは一寸にして人を呑む気が有る。文三の眼より見る時はお勢は所謂女豪じょごう萌芽めばえだ。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
荒磯あらいそかげに心苦しく存じました二葉ふたばの松もいよいよ頼もしい未来が思われます日に到達いたしましたが、御生母がわれわれ風情ふぜいの娘でございますことが、御幸福のさわりにならぬかと苦労にしております」
源氏物語:18 松風 (新字新仮名) / 紫式部(著)
花散りてもみ二葉ふたばにもえあがり 以之
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
二葉ふたばはな
赤い旗 (旧字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
おい木村さんしんさん寄つておいでよ、お寄りといつたら寄つてもいではないか、又素通りで二葉ふたばやへ行く気だらう、おしかけてつて引ずつて来るからさう思ひな
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
中 実生みしょう二葉ふたば土塊つちくれ
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
あし田鶴たづよはひながゝれとにや千代ちよとなづけし親心おやごゝろにぞゆらんものよ栴檀せんだん二葉ふたば三ツ四ツより行末ゆくすゑさぞとひとのほめものにせし姿すがたはなあめさそふ弥生やよひやまほころびめしつぼみにながめそはりてさかりはいつとまつのごしのつきいざよふといふも可愛かあいらしき十六さい高島田たかしまだにかくるやさしきなまこしぼりくれなゐは
闇桜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)