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上草履
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うはざうり
ふりがな文庫
“
上草履
(
うはざうり
)” の例文
「待て、あんな恰好で逃げ出す人間があるものか、トボトボと地獄へでも行く人の姿ぢやないか。あツ
上草履
(
うはざうり
)
を
穿
(
は
)
いたきりだ。八」
銭形平次捕物控:107 梅吉殺し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
枕元にひゞく
上草履
(
うはざうり
)
の音もなく、自分は全く隔離されたる個人として
外縁
(
ヴエランダ
)
の上なる長椅子に身を
横
(
よこた
)
へ、
恣
(
ほしいまゝ
)
なる空想に耽けることが出来た。
海洋の旅
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
見て
餘所
(
よそ
)
ながらなる
辭別
(
いとまごひ
)
愁然
(
しうぜん
)
として居たる折早くも二
更
(
かう
)
の
鐘
(
かね
)
の
音
(
ね
)
は
耳元
(
みゝもと
)
近
(
ちか
)
く聞ゆるにぞ
時刻
(
じこく
)
來りと立上り
音
(
おと
)
せぬ樣に
上草履
(
うはざうり
)
を足に
穿
(
うが
)
つて我家を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
其後
(
そののち
)
患者は入れ代り立ち代り出たり
入
(
はい
)
つたりした。自分の病氣は日を積むに從つて次第に快方に向つた。仕舞には
上草履
(
うはざうり
)
を
穿
(
は
)
いて廣い廊下をあちこち散歩し始めた。
変な音
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
冷
(
ひ
)
え/″\として
硝子
(
がらす
)
のそとに、いつからか
糸
(
いと
)
のやうに
細
(
こま
)
かな
雨
(
あめ
)
が
音
(
おと
)
もなく
降
(
ふ
)
つてゐる、
上草履
(
うはざうり
)
の
靜
(
しづ
)
かに
侘
(
わ
)
びしい
響
(
ひゞき
)
が、
白衣
(
びやくえ
)
の
裾
(
すそ
)
から
起
(
おこ
)
つて、
長
(
なが
)
い
廊下
(
らうか
)
を
先
(
さき
)
へ/\と
這
(
は
)
うて
行
(
ゆ
)
く。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
▼ もっと見る
上草履
(
うはざうり
)
の
爪前
(
つまさき
)
細
(
ほそ
)
く
嬝娜
(
たをやか
)
に
腰
(
こし
)
を
掛
(
か
)
けた、
年若
(
としわか
)
き
夫人
(
ふじん
)
が、
博多
(
はかた
)
の
伊達卷
(
だてまき
)
した
平常着
(
ふだんぎ
)
に、お
召
(
めし
)
の
紺
(
こん
)
の
雨絣
(
あまがすり
)
の
羽織
(
はおり
)
ばかり、
繕
(
つくろ
)
はず、
等閑
(
なほざり
)
に
引被
(
ひつか
)
けた、
其
(
そ
)
の
姿
(
すがた
)
は、
敷詰
(
しきつ
)
めた
絨氈
(
じうたん
)
の
浮出
(
うきい
)
でた
綾
(
あや
)
もなく
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
外にはいつの
間
(
ま
)
にか、雨がざあざあ降つてゐた。僕は自分の
下駄
(
げた
)
を
履
(
は
)
く為に下駄の置き場所へ行つたのである。そこにはあるべき下駄がなかつた。いくら
捜
(
さが
)
してもない。僕は
上草履
(
うはざうり
)
をはいてゐた。
拊掌談
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
廊下の方から、
上草履
(
うはざうり
)
の音をさせて、女中が御膳を運んで來た。
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
此棟
(
このむね
)
に不自由な身を託した患者は申し合せた樣に默つてゐる。寐てゐるのか、考へてゐるのか話をするものは一人もない。廊下を歩く看護婦の
上草履
(
うはざうり
)
の音さへ聞えない。
変な音
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
上
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
草
常用漢字
小1
部首:⾋
9画
履
常用漢字
中学
部首:⼫
15画
“上”で始まる語句
上
上手
上下
上方
上海
上衣
上野
上総
上人
上﨟