“はかど”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ハカド
語句割合
58.9%
捗取32.9%
果取4.4%
進捗1.3%
墓所0.6%
敢果取0.6%
渉取0.6%
進行0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かりに増鏡などの日どりで行くと、一日十数里も歩いたわけになるが、とてもそんなにはかどりえないことは常識からもいうまではない。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
棒同然な物で大海たいかい乗切のっきるのでありますから、虫のうより遅く、そうかと思うと風の為に追返されますので、なか/\捗取はかどりませぬ。
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
午後ごごれた所爲せゐか、あさくらべると仕事しごとすこ果取はかどつた。しか二人ふたり氣分きぶん飯前めしまへよりもかへつて縁遠えんどほくなつた。ことにさむ天氣てんき二人ふたりあたまこたへた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
種々いろいろな困難は、なお、私の前に横たわっていた。一方には学校を控えていたから、思うように自分の仕事も進捗はかどらなかった。全く教師をめて、専心従事するとしても、猶一年程はかかる。
芽生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
夕凪はいきるる草を墓所はかどには人さは来居きをり我が泣かむ見に
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
夜更よふけ出立しゆつたつ致させたるは不審いぶかしき事なり何故夜明て後出立致させぬそと有りけるに長庵さればにて候私儀呉々くれ/″\弟に夜が明て後出立しゆつたついたし候樣に申聞せ候へ共在所ざいしよに殘し置たる妻や娘に一こくも早く安堵あんどさせ度たびは朝こそ敢果取はかどれば最早もはや寅刻なゝつすぎたるゆゑ少し歩行あゆまば夜もあけなんと止むるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
お婆さんが道祖神さえのかみの化身なら、この子供には、こんがら童子の憑移のりうつったように、路も馬も渉取はかどり、正午頃ひるごろには早く所口へ着きました。可心は穴水の大庄屋、林水とか云う俳友を便たよって行くので。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
貰つた時は、実に嬉しかつた。彼様あんなに早く進行はかどらうとは思はなかつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)