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ねつど
熾な
火の
柱が
近く
目を
掩うて
立つて
居た。
彼は
又直に
激しい
熱度を
顏一
杯に
感じた。
火はどうした
機會か
横に
轉がした
大籠の
落葉に
移つて
居たのである。
夫は
僕も
家畜病院長を呼んで
診察をして
貰ひましたがな……。「お
熱は
何んな
塩梅でございますか。「
熱は
京都へ
来たせいか
平をんでげす。「
熱度はどの
位で。「三
条七
条と
申ます。 ...
次の
日は
朝からきら/\と
照つた。
暖かい
日光は
勘次の
土間まで
偃つた。
地上は
凡て
軟かな
熱度を
以て
蒸された。
物陰に一
夜保つてゆつくりした
雪が
慌てゝ
溶けた。
夜になつて
痙攣は
間斷なく
發作した。
熱度は
非常に
昂進した。
液體の一
滴をも
攝取することが
出來ないにも
拘らず、
亂れた
髮の
毛毎に
傳ひて
落るかと
思ふやうに
汗が
玉をなして
垂れた。