“しよんぼり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
悄然78.3%
悄乎21.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
返事がない。わたしは胸さわぎした。立つて行つて障子しやうじを開けて見ると、黄ろい電燈の下に、秋子が包みを持つて悄然しよんぼり立つてゐる。
愚かな父 (新字旧仮名) / 犬養健(著)
くもか、もやか、綿わたつゝんだやうにおよ三抱みかゝえばかりあらうとおも丸柱まるばしらが、しろ真中まんなかにぬつく、とつ、……と一目ひとめれば、はしら一人ひとり悄然しよんぼりつたをんな姿すがた……
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
三社樣さんじやさま御神輿おみこしが、芳原よしはらわたつたときであつた。なかちやうで、ある引手茶屋ひきてぢやや女房にようばうの、ひさしくわづらつてたのが、まつり景氣けいきやつきて、ほのかうれしさうに、しかし悄乎しよんぼり店先みせさきたゝずんだ。
祭のこと (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
麦稈帽むぎわらぼう鷲掴わしづかみに持添もちそへて、ひざまでの靴足袋くつたびに、革紐かはひもかたくかゞつて、赤靴あかぐつで、少々せう/\抜衣紋ぬきえもん背筋せすぢふくらまして——わかれとなればおたがひに、たふげ岐路えだみち悄乎しよんぼりつたのには——汽車きしやからこぼれて
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)