-
トップ
>
-
悄乎
>
-
しよんぼり
次の
婦は、
腰から
其の
影を
地へ
吸込まれさうに、
悄乎と
腰をなやして
踞む……
鬢のはづれへ、ひよろりと
杖の
尖が
抽けて
青い。
來て、
其の
行逢つたものは、
一ならびに
並んだ三
人づれで、どれも
悄乎とした
按摩である。
三社樣の
御神輿が、
芳原を
渡つた
時であつた。
仲の
町で、
或引手茶屋の
女房の、
久しく
煩つて
居たのが、
祭の
景氣に
漸と
起きて、
微に
嬉しさうに、しかし
悄乎と
店先に
彳んだ。
麦稈帽を
鷲掴みに
持添へて、
膝までの
靴足袋に、
革紐を
堅くかゞつて、
赤靴で、
少々抜衣紋に
背筋を
膨らまして——
別れとなればお
互に、
峠の
岐路に
悄乎と
立つたのには——
汽車から
溢れて
悄乎と
其處へ
入ると、
其のトタンに、カン/\カン。
頃刻悄乎して
居たつけ。