“しょうぜん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
悄然75.7%
悚然8.3%
鏘然6.9%
竦然4.6%
蕭然2.8%
慴然0.5%
瀟然0.5%
牀前0.5%
生前0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
遠くで稲妻いなずまのする空の下を、修理の屋敷へ帰りながら、宇左衛門は悄然しょうぜんと腕を組んで、こんな事を何度となく胸の中で繰り返えした。
忠義 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ところがその刑罰の有様が如何にも真にせまって、る者をして悚然しょうぜんたらしめたので、その後ち禁を犯す者が跡を絶つに至ったということである。
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
と、鏘然しょうぜんたる大刀の音がしたが、見れば二本の白刃が、しまを織っている日光の中に、鍔迫つばぜり合いをなしていた。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
駆けて行って見れば、扉は倒れ雨と風の中に山田春雄が竦然しょうぜんとして立っていた。折も折、稲光りがぴかぴか光ってそれは幽霊のようにおののいて見えた。
光の中に (新字新仮名) / 金史良(著)
天地蒼茫そうぼうとして暮れんとする夏の山路に、蕭然しょうぜんとして白く咲いているこの花をみた時に、わたしは云い知れない寂しさをおぼえた。(大正3・8)
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
総監は局長と慴然しょうぜんと眼を見合わせていたが、真名古の方に向き直ると
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
賭場とばモンテカルロですっからかんになると、突然日本に郷愁を感じたものか、再びもとの懐しい紡縷ぼろまとうて、孤影瀟然しょうぜんとして帰来したのである。
放浪作家の冒険 (新字新仮名) / 西尾正(著)
仏在世、一種姓竜肉を食い、諸比丘またこれを食うあり、竜女仏の牀前しょうぜんに到りて泣く、因って仏竜の血骨筋髄一切食うを禁じ、身外皮膚病あらば竜の骨灰を塗るをゆるすとあるも、この蜥蜴であろう。
それは勝三郎の生前しょうぜんに、勝久らが百方調停したにもかかわらず、ゆるされずにしまった高足弟子こうそくていし勝四郎の勘気である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)