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蕭然
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しょうぜん
ふりがな文庫
“
蕭然
(
しょうぜん
)” の例文
渠
(
かれ
)
は山に
倚
(
よ
)
り、水に臨み、清風を
担
(
にな
)
い、明月を
戴
(
いただ
)
き、了然たる一身、
蕭然
(
しょうぜん
)
たる四境、自然の清福を占領して、いと
心地
(
ここち
)
よげに見えたりき。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
天地
蒼茫
(
そうぼう
)
として暮れんとする夏の山路に、
蕭然
(
しょうぜん
)
として白く咲いているこの花をみた時に、わたしは云い知れない寂しさをおぼえた。(大正3・8)
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
衣服、
玩好
(
がんこう
)
、遊戯、一も彼の
嗜
(
し
)
を
惹
(
ひ
)
くものなし。机上
一硯
(
いっけん
)
、一筆、
蕭然
(
しょうぜん
)
たる書生のみ。最も読書を好み手に巻を
釈
(
す
)
てず、その
抄録
(
しょうろく
)
したるもの四十余巻ありという。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
横須賀より乗るべかりしを、出発に
垂
(
なんな
)
んとして
障
(
さわり
)
ありて一
日
(
じつ
)
の期をあやまりたれば、武男は
呉
(
くれ
)
より乗ることに定め、六月の十日というに孤影
蕭然
(
しょうぜん
)
として東海道列車に乗りぬ。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
翁
大
(
おおい
)
ニ以テ可ト
為
(
な
)
シコレヲ
慫慂
(
しょうよう
)
ス。
乃
(
すなわ
)
チ屋ヲ駒籠
亀田鵬斎
(
かめだほうさい
)
ガ故居ノ近傍ニ
僦
(
しゅう
)
ス。前ハ老杉ニ対シ、後ハ
則
(
すなわ
)
チ密竹
掩映
(
えんえい
)
ス。破屋数間、
蕭然
(
しょうぜん
)
タル
几案
(
きあん
)
、始メテ老子ヲ講ジヌ。後ニ市ヶ谷ニ移居ス。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
手を
膝
(
ひざ
)
に眼を
閉
(
と
)
じて聴く八十一の
翁
(
おきな
)
をはじめ、皆我を忘れて、「
戎衣
(
よろい
)
の
袖
(
そで
)
をぬらし
添
(
そ
)
うらん」と結びの一句
低
(
ひく
)
く
咽
(
むせ
)
んで、四絃一
撥
(
ばつ
)
蕭然
(
しょうぜん
)
として
曲
(
きょく
)
終るまで、息もつかなかった。
讃辞
(
さんじ
)
謝辞
(
しゃじ
)
口を
衝
(
つ
)
いて出る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
毅堂が『薄遊吟草』所載の作中に「七月十日
独
(
ひとり
)
南檐
(
なんえん
)
ニ
臥
(
ふ
)
ス。涼風西ヨリ来リ
梧竹
(
ごちく
)
蕭然
(
しょうぜん
)
タリ。因テ
憶
(
おも
)
フ。余南中ニアルコト
殆
(
ほとんど
)
一年ト。悲ミ中ヨリ生ズ。一絶句ヲ賦シテ懐ヲ遣ル。」と題するもの及び「八月八日マサニ北総ニ遊バントス。鈴木彦之ニ留別ス。」
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
“蕭然”の意味
《名詞》
ひっそりして物寂しいさま。
(出典:Wiktionary)
蕭
漢検1級
部首:⾋
16画
然
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“蕭”で始まる語句
蕭々
蕭条
蕭
蕭殺
蕭索
蕭何
蕭散
蕭関
蕭條
蕭瑟