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隅々
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すみ/″\
ふりがな文庫
“
隅々
(
すみ/″\
)” の例文
これは、その濁つた、黄いろい光が、
隅々
(
すみ/″\
)
に蜘蛛の巣をかけた天井裏に、ゆれながら
映
(
うつ
)
つたので、すぐにそれと知れたのである。
羅生門
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
後
(
うしろ
)
の
隅々
(
すみ/″\
)
についてゐる
瓦斯
(
ガス
)
の
裸火
(
はだかび
)
の光は一ぱいに
詰
(
つま
)
つてゐる見物人の頭に
遮
(
さへぎ
)
られて非常に暗く、
狭苦
(
せまくる
)
しいので、
猿
(
さる
)
のやうに人のつかまつてゐる
前側
(
まへがは
)
の鉄棒から
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
最初老医師は庭の
隅々
(
すみ/″\
)
や置石の陰やに黄ろい粉のやうなもののあるのを見て何だらうとのみ思うてゐた。
夢
(新字旧仮名)
/
相馬泰三
(著)
そして自分の心持をかくす為めに丸田は此の練兵場の
隅々
(
すみ/″\
)
までも響くやうな指笛を鳴して見せた。子供は喜んだ。遠くの方から白犬が此方を目がけて飛んで来た——。
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
最初
(
さいしよ
)
、十
人
(
にん
)
の
兵士
(
へいし
)
が
棍棒
(
こんぼう
)
を
携
(
たづさ
)
へて
來
(
き
)
ました、
此等
(
これら
)
は
皆
(
みん
)
な三
人
(
にん
)
の
園丁
(
えんてい
)
のやうな
恰好
(
かつかう
)
をして
居
(
ゐ
)
て、
長楕圓形
(
ちやうだゑんけい
)
で
平
(
ひら
)
たくて、
隅々
(
すみ/″\
)
からは
其
(
そ
)
の
手足
(
てあし
)
が
出
(
で
)
て
居
(
ゐ
)
ました、
次
(
つぎ
)
に
來
(
き
)
たのは十
人
(
にん
)
の
朝臣
(
てうしん
)
で
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
▼ もっと見る
一方
(
かた/\
)
は
仲働
(
なかはたらき
)
の
福
(
ふく
)
のこゑ、
叮嚀
(
ていねい
)
に
叮嚀
(
ていねい
)
にと
仰
(
おつ
)
しやるけれど、一
日
(
にち
)
業
(
わざ
)
に
何
(
ど
)
うして
左樣
(
さう
)
は
行渡
(
ゆきわた
)
らりよう、
隅々
(
すみ/″\
)
隈々
(
くま/″\
)
やつて
居
(
い
)
てお
溜
(
たま
)
りが
有
(
あ
)
らうかえ、
目
(
め
)
に
立
(
た
)
つ
處
(
ところ
)
をざつと
働
(
はたら
)
いて、あとは
何
(
いづ
)
れも
野
(
の
)
となれさ
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
その
隅々
(
すみ/″\
)
までもゆるげるは彼のためなりき。
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
壁から、
隅々
(
すみ/″\
)
から
梅原良三郎氏のモンマルトルの画室
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
見て大いに驚き盜人は何所へ
行
(
ゆき
)
しやらんと家の
隅々
(
すみ/″\
)
まで
探
(
さが
)
しけれども
最早
(
もはや
)
遁
(
のが
)
れ行しと見えて
庭
(
には
)
の
切戸
(
きりど
)
の明て有しかば若い者共表へ走り出
其所
(
そこ
)
よ
此處
(
ここ
)
よと
尋
(
たづね
)
けるに
又
(
また
)
隣
(
となり
)
の伊勢屋三郎兵衞方にても盜賊入たりとて大いに
騷
(
さわぎ
)
立ち男共大勢立出見るに
板塀
(
いたべい
)
の上を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
隅
常用漢字
中学
部首:⾩
12画
々
3画
“隅々”で始まる語句
隅々隈々
隅々迄