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陷
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おとしい
ふりがな文庫
“
陷
(
おとしい
)” の例文
新字:
陥
お品は始めてその
叡知
(
えいち
)
の鋒鋩を見せました。そのお品の言葉が本當なら、曲者は房吉を
陷
(
おとしい
)
れる積りでやつた細工でせう。
銭形平次捕物控:247 女御用聞き
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
二言目
(
ふたことめ
)
にはお金がかかるお金がかかると云ひ、藝術の作品を金錢に計量しなくては承知しない母親の態度にも
慊
(
あきた
)
らず、こんな迷惑な地位に自分を
陷
(
おとしい
)
れ
貝殻追放:013 先生の忠告
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
但しは此の横笛を飽くまで不義淫奔に
陷
(
おとしい
)
れんとせらるゝにや。又しても問ひもせぬ人の批判、且つは深夜に道ならぬ
媒介
(
なかだち
)
、横笛迷惑の至り、御歸りあれ冷泉樣。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
奪ひ取夫
而已
(
のみ
)
ならず浪人道十郎へ右の罪科を
悉皆
(
こと/″\
)
く
塗付
(
ぬりつけ
)
終に公儀を
欺
(
あざむ
)
き
寃
(
むじつ
)
に
陷
(
おとしい
)
れたる段證據人忠兵衞が申立の通り
聊
(
いさゝ
)
か相違なく聞ゆ然るに忠兵衞は恨み有者故右樣の事を申立候などと無體の儀を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
善き
加特力
(
カトリコオ
)
教徒はこれと
殊
(
こと
)
にて神の
愛子
(
まなご
)
なり、これを
陷
(
おとしい
)
れむには惡魔はさま/″\の手立を用ゐざること能はず。惡魔はわれ等を誘ふなり。われ等は弱きものなればその手の中に落つること多し。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
▼ もっと見る
ましてや
他人
(
たにん
)
の
底
(
そこ
)
ふかき
計略
(
けいりやく
)
の
淵
(
ふち
)
知
(
し
)
るべきならねば
陷
(
おとしい
)
れられて
後
(
のち
)
の
一悔恨
(
ひとくわいこん
)
空
(
むな
)
しく
呑
(
の
)
む
涙
(
なみだ
)
の
晴
(
は
)
れ
間
(
ま
)
は
無
(
な
)
くて
降
(
ふ
)
りかゝる
憂苦
(
いうく
)
と
繋
(
つな
)
がるゝ
情緒
(
じやうちよ
)
に
思慮
(
しりよ
)
分別
(
ぶんべつ
)
も
烏羽玉
(
ぬばたま
)
の
闇
(
やみ
)
くらき
中
(
なか
)
にも
星明
(
ほしあか
)
りに
目
(
め
)
と
目
(
め
)
見合
(
みあは
)
せて
莞爾
(
につこ
)
とばかり
名殘
(
なごり
)
の
笑顏
(
ゑがほ
)
うら
淋
(
さび
)
しくいざと
促
(
うなが
)
せばいざと
答
(
こた
)
へて
流石
(
さすが
)
にたゆたは
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
平次は少し
辟易
(
へきえき
)
しました。こんな人格などといふものを、とうの昔に破産してしまつたらしい浪人者は、人を
陷
(
おとしい
)
れることなど何んとも思つてゐないでせう。
銭形平次捕物控:193 色若衆
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
右京を
窮地
(
きゆうち
)
に
陷
(
おとしい
)
れた上、吉彌を亡きものにして、京之助に家督を
繼
(
つ
)
がせる
魂膽
(
こんたん
)
をめぐらし、着々それを實行してゐた事を平次に證明されて、今更驚き
呆
(
あき
)
れるばかりでした。
銭形平次捕物控:148 彦徳の面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その間にお筆は、平次が親元になつて、紅屋に嫁入りし、煙草入細工をして、藤吉を
陷
(
おとしい
)
れようとした彌惣の伜彌三郎は、他の惡事まで露見して、どこともなく
逐電
(
ちくでん
)
しました。
銭形平次捕物控:127 彌惣の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
國を
逐
(
お
)
はれたのを、事情を知つて居る高木勇名の
讒言
(
ざんげん
)
に相違ないと信じ込み、八方手を盡して
陷
(
おとしい
)
れ、その結果、續いて、高木勇名も永の暇になり、流れ/\て二人は、同じ江戸の
銭形平次捕物控:139 父の遺書
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
血を
雜巾
(
ざふきん
)
か何かにひたして、
二合半
(
こなから
)
坂の春日邸下になすつたり、石垣を熊手か何かで引つかいて、あわよくば春日邦之助を無實の罪に
陷
(
おとしい
)
れ、自分は何時までもきれいなお孃さんと
銭形平次捕物控:193 色若衆
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
切支丹でないとすると、江戸を恐怖のドン底に
陷
(
おとしい
)
れたのは、一體何者の
仕業
(
しわざ
)
でせう。
銭形平次捕物控:135 火の呪ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
齒を喰ひ縛つて
辛
(
から
)
くも身體を
支
(
さゝ
)
へて居るうちに、上から射した蝋燭の光で、自分をこの九死の
境
(
さかひ
)
に
陷
(
おとしい
)
れたのは、臆病者の勇吉だとはわかりましたが、下の舟に居る相棒がわかりません。
銭形平次捕物控:006 復讐鬼の姿
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
用人の大澤幸吉と腹を合せて、事毎にお紋母子を
陷
(
おとしい
)
れようとしたといふのです。
銭形平次捕物控:027 幻の民五郎
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「百二十石の祿を捨てても、直參の非道を
懲
(
こら
)
せば、
惜
(
をし
)
むところは御座いません、——父上樣も五年前、この芝田要が惡人共に
陷
(
おとしい
)
れられるのを救はれて三百石の高祿を捨てて浪人なされました」
銭形平次捕物控:163 閉された庭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
陷
部首:⾩
11画
“陷”を含む語句
陷入
陷穽
陷沒
缺陷
陷落
陷込
陷穴