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錫杖
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しやくぢやう
ふりがな文庫
“
錫杖
(
しやくぢやう
)” の例文
立木觀音で艇を出でゝ、立木をきざんだ本尊の古拙ではあるが面白い像を見、勝道上人の所持であつたといふ
傳
(
でん
)
の
刀子
(
たうす
)
だの
錫杖
(
しやくぢやう
)
だのを見た。
華厳滝
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
と
仰有
(
おつしや
)
つたが、
御手
(
おんて
)
の
錫杖
(
しやくぢやう
)
をづいと
上
(
あ
)
げて、トンと
下
(
お
)
ろしざまに
歩行
(
あゆ
)
び
出
(
で
)
らるゝ……
成程
(
なるほど
)
、
御襟
(
おんゑり
)
の
唾掛
(
よだれかけ
)
めいた
切
(
きれ
)
が、ひらり/\と
揺
(
ゆ
)
れつゝ
来
(
こ
)
らるゝ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「いや。けふは修行中の
草鞋穿
(
わらぢばき
)
だから御免
蒙
(
かうむ
)
る。焉馬あつたら又
逢
(
あ
)
はう。」
云
(
い
)
ひ
畢
(
をは
)
つて壽阿彌は、岡崎町の地藏橋の方へ、
錫杖
(
しやくぢやう
)
を
衝
(
つ
)
き鳴らして去つたと云ふのである。
寿阿弥の手紙
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
手先の一人は、倉松の持つて居た
錫杖
(
しやくぢやう
)
が、眞刀を仕込んだ物騷なものだつたことを發見しました。
銭形平次捕物控:063 花見の仇討
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
瀧口
今
(
いま
)
は、誰れ知れる人もなき跡ながら、昔の盛り忍ばれて、盡きぬ
名殘
(
なごり
)
に
幾度
(
いくたび
)
か
振𢌞
(
ふりかへ
)
りつ、持ちし
錫杖
(
しやくぢやう
)
重
(
おも
)
げに打ち鳴らして、何思ひけん、小松殿の
墓所
(
ぼしよ
)
指
(
さ
)
して立去りし頃は、
夜明
(
よあ
)
け
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
▼ もっと見る
錫杖
(
しやくぢやう
)
と
法螺
(
ほら
)
とを伴奏楽器とした。唱文は家の鎮斎を主として、家を脅すもの、作物を荒す物などを叱る詞章であつた。其くづれの祭文が、くどきめいたものであつた。其傾向が、他の条件と結合した。
国文学の発生(第四稿):唱導的方面を中心として
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
其
(
そ
)
の
地蔵尊
(
ぢざうそん
)
が、
前
(
まへ
)
の
方
(
はう
)
から
錫杖
(
しやくぢやう
)
を
支
(
つ
)
いたなりで、
後
(
うしろ
)
に
続
(
つゞ
)
いた
私
(
わたし
)
と
擦違
(
すれちが
)
つて、
黙
(
だま
)
つて
坂
(
さか
)
の
方
(
はう
)
へ
戻
(
もど
)
つて
行
(
ゆ
)
かるゝ……と
案山子
(
かゝし
)
もぞろ/\と
引返
(
ひきかへ
)
すんです。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その
夥多
(
おびたゞ
)
しい
石塔
(
せきたふ
)
を、
一
(
ひと
)
つ
一
(
ひと
)
つうなづく
石
(
いし
)
の
如
(
ごと
)
く
從
(
したが
)
へて、のほり、のほりと、
巨佛
(
おほぼとけ
)
、
濡佛
(
ぬれぼとけ
)
が
錫杖
(
しやくぢやう
)
に
肩
(
かた
)
をもたせ、
蓮
(
はちす
)
の
笠
(
かさ
)
にうつ
向
(
む
)
き、
圓光
(
ゑんくわう
)
に
仰
(
あふ
)
いで、
尾花
(
をばな
)
の
中
(
なか
)
に、
鷄頭
(
けいとう
)
の
上
(
うへ
)
に
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“錫杖”の意味
《名詞》
僧侶や修験者が持つ杖。頭部を錫製でつくり複数の環をかける。
錫杖をたたえる声明。
(出典:Wiktionary)
“錫杖”の解説
錫杖(しゃくじょう)は、遊行僧が携帯する道具(比丘十八物)の一つである杖。梵語ではカッカラ()といい、有声杖、鳴杖、智杖、徳杖、金錫ともいう。
(出典:Wikipedia)
錫
漢検準1級
部首:⾦
16画
杖
漢検準1級
部首:⽊
7画
“錫”で始まる語句
錫
錫蘭
錫箔
錫崙
錫張
錫紙
錫蘭博物志
錫鍍
錫懸
錫秋