那樣事そんなこと)” の例文
まあ那樣事そんなこといて、其時そのときふねなかで、ちつともさわがぬ、いやもとん平氣へいきひと二人ふたりあつた。うつくしいむすめ可愛かはいらしいをとこぢや。※弟きやうだいえてな、ました。
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
けません、けません! 那樣事そんなことせてもいとはたれからも言付いひつかりません。御存ごぞんじでせう。』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
那樣事そんなことらぬな。わし目下いま空模樣そらもやうさへおまへさんにかれたので、やつといたくらゐぢやもの。
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
然云さういわけではいのです、れは貴方あなた苦痛くつうめて、わたくしめないといふことではないのです。せんずるところ苦痛くつう快樂くわいらくうつくもので、那樣事そんなこと奈何どうでもいのです。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
徳義上とくぎじやうだとか、論理ろんりだとか、那樣事そんなことなにりません。たゞ場合ばあひです。すなは此處こゝれられたものはひつてゐるのであるし、れられんもの自由じいう出歩であるいてゐる、けのことです。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
また生命いのちかまはずにツたしうなら、かぜかうが、ふねかへらうが、那樣事そんなこと頓着とんぢやくはずぢやが、見渡みわたしたところでは、誰方どなた怯氣々々びく/\ものでらるゝ樣子やうすぢやが、さて/\笑止千萬せうしせんばん
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)